DENSO ADAS / AD 安心できる、自動運転

松ヶ谷和沖×島下泰久

#1自動運転について

運転に必要な3つの行為

 クルマを運転する。その行為を細分化していくと『認知』、『判断』、『操作』の3つの段階に分けることができます。自車の周囲の状況を確認することが『認知』。それに基づいてクルマをどのように導くかを決めることが『判断』。その上で、ステアリングやアクセル、ブレーキなどを用いて『操作』を行ないます。運転中に人間は、この3つの段階を目まぐるしく、またはいくつかを同時に進めています。

クルマが人の代わりに執り行う

 自動運転とは、これらの行為のある一定の部分、あるいは全部を機械すなわちクルマが、人間に代わって執り行うことを言います。どこまでを自動化するのか、どんなシーンを自動化するのかによって、自動運転のレベルが決まります。そうは言っても一般的には『認知』の段階を支援するだけでは、自動運転と言われてもピンとこないかもしれません。実際にはやはり『判断』、そして『操作』の部分に機械が入り込んできて初めて、自動運転という言葉がしっくりくるようになると言えるでしょう。

運転支援と自動運転の違い

 SAE(Society of Automobile Engineers)の定義によれば“走る”、“曲がる”、“止まる”というクルマの基本機能のうち、ひとつをアシストしているだけの段階では自動運転ではなく、運転支援と呼びます。車両の加速、制動(前後方向)、もしくは操舵(左右方向)の両方の操作を自動で行なって、初めて自動運転と呼びます。

車両の前後方向支援+車両の左右方向支援=自動運転

 たとえば加減速により、前走車との距離の調整をクルマに託すことができるアダプティブクルーズコントロールは、それだけでは運転支援と定義づけられます。ですが、それにレーンキーピングアシストなどの操舵支援が加わると、それは自動運転と定義されるのです。
 ただし、一般的な見方では、自動運転という言葉は、イコール運転操作からの解放と近い響きを持っているように見受けられます。少なくとも現状では、加減速、停止という前後方向操作がすべて、いついかなる時にも自動化されたわけではありませんし、ステアリング操作についても同様です。誤解を避ける意味もあり、現在ではこうしたものは部分的自動運転、あるいは半自動運転などと呼ばれています。