DRIVEN BASE

デンソー、レクサスGS450hに搭載されるハイブリッド車用部品を開発 ―小型、軽量、高性能化を実現―

2006年4月3日

 株式会社デンソー(本社:愛知県刈谷市、社長:深谷 紘一)は、このほど、ハイブリッド車用の部品として小型、軽量、高性能化などを実現したDC-DCコンバータ、電池監視ユニット、システムメインリレーを開発しました。
 今回開発したハイブリッド車用部品は、3月にトヨタ自動車株式会社から発売された「レクサス GS450h」に搭載されています。

DC-DCコンバータ

 DC-DCコンバータは、ハイブリッド車の動力源用主電池の高電圧(288V)を低電圧に変換して補機電池(12V)を充電するとともに12V系負荷のライト、ワイパ、ホーンなどを動かす電力を供給します。

 今回開発したDC-DCコンバータは、独自開発した電圧変換回路を使用するなどの工夫により、従来製品に比べ電圧変換時のエネルギー損失を半減し、燃費向上を実現しました。また、冷却方式を水冷式から空冷式に変更することが可能となり、従来のようにインバータの冷却水を使用する必要がなくなったため、搭載位置の自由度が向上しました。


DC-DCコンバータ

電池監視ユニット

 電池監視ユニットは、高電圧電池を効率的に使用するために、電池の電圧、電流、温度を検出します。
 今回開発した電池監視ユニットは、低電圧回路部の素子だけでなく、高電圧回路部の素子も基板の両面に配置することにより、小型・軽量化を実現しました。これに加え、素子数を減らすなどの工夫により、従来製品より体積を約65%、質量を約50%低減しています。


電池監視ユニット

システムメインリレー

 システムメインリレーは、高電圧電池と高電圧システム間の電流をオン・オフする装置です。また、車両衝突時に搭乗者の安全を確保するために、高電圧を完全に遮断する働きもします。
 今回開発したシステムメインリレーは、可動部と固定部の構造を工夫することにより、電流の遮断性を低下させることなく、オン・オフ時における可動部と固定部の接触の衝撃を緩和しました。これにより、作動音を従来製品より約10dB低減し、静粛性を向上しました。また、部品数の削減により、組み付け性を向上しています。

ハイブリッドシステム用製品を幅広く開発

 デンソーは、DC-DCコンバータ、電池監視ユニット、システムメインリレー以外にも、インバータ用昇圧コンバータ、電動コンプレッサ、ハイブリッドコンピュータなど、ハイブリッドシステム用製品を幅広く開発しています。

 ハイブリッド車は、エンジンと電動モータを組み合わせることにより、低燃費、動力性能の向上を実現している反面、ガソリン車と比べ部品数が多いため、各部品の性能向上、小型軽量化が求められています。こういったニーズに応えるため、デンソーはこれまでの経験を生かし、新技術、新製品の開発を今後も続けていきます。

以上