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デンソーとJERA、JERA火力発電所において、SOECと排熱活用を組み合わせた、高効率水素生成技術の共同開発ならびに共同実証試験を実施

株式会社デンソー(本社:愛知県刈谷市、社長:林 新之助、以下デンソー)と株式会社JERA(本社:東京都中央区、代表取締役会長 Global CEO:可児 行夫 および 代表取締役社長 CEO 兼COO:奥田 久栄、以下JERA)は、このたび、デンソーの水電解装置SOEC*1を使用し、排熱を活用した高効率水素生成技術などの共同開発ならびにJERAの火力発電所にて共同実証試験を実施することとしましたので、お知らせします。

デンソーは、2035年にカーボンニュートラルの実現を目指し、「モノづくり」「モビリティ製品」「エネルギー利用」の3つの領域からさまざまな取り組みを進めています。特に「エネルギー利用」において不可欠な水素製造を、クルマのシステム開発で培った技術を応用し、高い安定性と効率性が特徴であるSOECの開発に取り組んでいます。
JERAは、「JERAゼロエミッション2050」を掲げ、2050年時点で国内外の事業から排出されるCO2の実質ゼロに向けて、水素・アンモニアのサプライチェーン構築に挑戦しています。火力発電については、よりクリーンな燃料の導入を進め、発電時にCO2を排出しないゼロエミッション火力を追求しています。

このたび両社は、デンソーが開発するSOEC(電解電力*2:200kW)を使用して、排熱を活用した高効率水素生成技術などの共同開発を開始し、2025年度よりJERAの火力発電所構内において共同実証試験を実施していきます。
さらに、200kWの共同実証試験の結果をもとに複数のSOECを組み合わせ、数千kW規模への拡大を目指してまいります。

両社は、このたびの共同開発ならびに共同実証試験を通じて、グローバルなグリーン水素・アンモニアサプライチェーン構築の早期実現に取り組み、世界の脱炭素化とエネルギー問題の解決に貢献してまいります。

 

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8月1日に実施した共同開発契約の署名式の様子
左:JERA 渡部 哲也 取締役副社長執行役員 右:デンソー 山崎 康彦 代表取締役副社長

 

*1 SOEC(Solid Oxide Electrolysis Cell / 固体酸化物形水電解装置):セラミック膜を電解質として高温で動作し、水蒸気を電気分解して水素を製造する装置。水素製造については、他にもアルカリ液を電解質とするアルカリ水電解や、高分子膜を電解質とするPEM形水電解があるが、今回共同で開発を行うSOECはそれらと比べて電解に要する電気エネルギーが少ないことが特徴。
*2 電解電力:水の電気分解に投入する電力