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デンソー、第18回「でんきの礎」を受賞

2025年3月27日

株式会社デンソー(本社:愛知県刈谷市、社長:林 新之助、以下、デンソー)は、一般社団法人電気学会が顕彰する第18回「でんきの礎」において、トヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市、社長:佐藤恒治、以下、トヨタ自動車)と共同で開発した「セグメントコンダクタ巻線技術」が選出され、3月19日に授与式が開催されました。デンソーが「でんきの礎」に選出されるのは今回が初となります。

電気技術の顕彰制度「でんきの礎」は、2008年の電気学会創立120周年記念事業の一環として創設されました。「社会生活に大きく貢献した電気技術」の功績を称え、その価値を広く世の中に周知して多くの人々に電気技術の素晴らしさ、面白さを知ってもらい、今後の電気技術の発展に寄与することを目的に、技術史的価値、社会的価値、学術的・教育的価値のいずれかを有する 略25 年以上経過した電気技術の業績を顕彰するものです。

今回顕彰されたセグメントコンダクタ(以下、SC)巻線技術は、1999年にデンソーが車両用発電機であるオルタネーターに世界で初めて適用し、トヨタ自動車に採用され量産開始しました。SC巻線技術は、従来の丸型断面の銅線を長方形断面の平角線に変更し、平角断面として隙間なく整列することで巻線密度を向上させました。これにより、発電効率が大幅に向上し、オルタネーターの小型軽量化にも貢献しました。さらに従来の団子状巻線体の干渉を克服するため、U字ヘアピン形状の多数のSCを鉄心に整然と挿入し、ひねり、端末を溶接する一連の高速巻線技術が開発されました。

その後、トヨタ自動車とデンソーは電動車両のモータージェネレーター(以下、MG)の高効率化・小型軽量化を目指し、共同でSC巻線技術の開発に取り組みました。12Vに代表される、低電圧駆動のオルタネーターがさらされる車両環境よりも過酷な600Vを超える高電圧電動車両に搭載するMGでは、トヨタ自動車が世界に先行して蓄積してきた設計および製造知見が不可欠でした。そのため、MG向けに絶縁に関する設計や製造技術を見直すことで、高電圧駆動での信頼性を確保しつつ、燃費電費や運動性能の向上、環境負荷の軽減に貢献するSC巻線技術へと進化させました。この巻線技術は、2015年からトヨタ自動車のハイブリッド車両のMGに採用され、量産が開始されました。
現在、世界の多くの電動車両に展開されており、電動モビリティの高性能・高信頼を支える基盤技術となっています。

【顕彰の概要】
顕彰名称:セグメントコンダクタ巻線技術~自動車用高効率電動機の平角導体を用いた高速巻線技術~
顕彰カテゴリー:モノ/こと (カテゴリーは「人」「モノ」「場所」「こと」の 4 つから選定)
顕彰先:トヨタ自動車株式会社、株式会社デンソー

デンソーは、これからもあらゆる製品で高性能、高効率を支える技術を通じて自動車産業の発展に貢献していきます。

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      オルタネーター向けステーター

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      MG向けステーター

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    授与式の様子
    (前列右)トヨタ自動車 モータ開発部 部長 滝澤 敬次様
    (後列右)デンソー エレクトリフィケーションシステム事業グループ 執行幹部 仲 美雄