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2030年中期経営計画 「CORE 2030」

デンソー中期経営計画 説明会「DENSO DIALOG DAY 2026」 説明資料

2030年に向けたデンソーの中期経営計画を「DENSO DIALOG DAY 2026」(2026年3月31日開催)で発表しました。当日の説明資料は、以下のリンクよりご覧ください。

2030年中期経営計画「CORE 2030」 説明資料






デンソーが向き合う環境変化

2030年中期経営計画の策定にあたり、社会・業界を取り巻く環境変化を多面的に整理しました。ありたい未来の実現に向け、これらの変化を的確に捉え、価値創造へとつなげていくことが重要だと認識しています。

社会の環境変化

地球温暖化や交通事故、資源・エネルギーの安全保障など、社会課題は世界規模で複雑化・深刻化しており、迅速な対応が求められています。こうした中、国や地域ごとの特性を踏まえた多様な動きが広がるとともに、情報や技術のボーダレス化による革新的なイノベーションが世界で生まれています。また国際社会のパワーバランスは変化し、経済安全保障の重要性も高まっています。さらに、AIの進化を背景に、人の役割や働き方も問い直されています。

自動車業界の環境変化 

自動車業界では、モビリティがクルマ単体の進化にとどまらず、エネルギー、交通、情報通信など社会の仕組みとつながりながら、その価値を大きく広げています。あわせて、エネルギー事情やインフラ、政策、人々の暮らしといった国・地域ごとの特性を踏まえ、求められるモビリティやパワートレインの最適解も多様化しています。さらに、クルマの価値を左右する技術領域は、従来の自動車技術だけでなく、半導体、ソフトウェア、通信、材料などの基盤技術へと広がっており、業界の枠を超えた技術融合が進んでいます。こうした動きは、自動車産業の構造や価値創出のあり方に変化をもたらしています。

AIの爆発的な革新

AIの進化は、社会の仕組みや産業における価値創出のあり方に大きな変化をもたらしています。さらに、AIは現場に実装できる段階に入り、モノづくりの競争力は、その使いこなし方によって差がつく時代になりつつあります。こうした中、現場に蓄積された実践知とAIを組み合わせることで、新たな価値創出の可能性が広がっています。AIを事業や製品・サービスにどう取り込み、人と技術の力を掛け合わせながら価値創造へとつなげていくかが、今後の成長に向けた重要な論点となっています。

「CORE 2030」に込めた想い

デンソーのタグライン「Crafting the Core」には、「技術とモノづくり、そして人の力で、より良い製品・サービスを届ける」という私たちの原点と、その実現に向けて常に「お客様起点で最善を」尽くす姿勢を込めています。

変化の激しい時代においても、この考え方を礎に、世界中のパートナーとともに、社会にとって本当に必要な新たな「Core」を創り続けていく――その決意を、「CORE 2030」という名称に込めました。

デンソーが描く未来像

CORE 2030の策定にあたり、ありたい未来像を描きました。

モビリティ領域では、基盤技術を進化させながらさらなる価値を創出するとともに、街や社会とつながるエコシステムの実現に貢献し、暮らしや産業を支えていきます。また、モビリティで培った技術を他領域へ拡張し、モビリティの枠を超えた新たな価値を広く社会に提供していきます。

デンソーは「モビリティから広がる未来社会を人の可能性で実現する企業」として、ありたい未来の実現に挑み続けます。

大切にしたい考え方

デンソーは、「社会課題の解決」と「人の幸せ・成長」を中長期の経営目的に掲げ、CORE 2030を推進します。

「社会課題の解決」では、未来を見据え、「環境」と「安心」を軸に多様な価値を生み出し、社会に貢献していきます。
「人の幸せ・成長」では、社会への貢献を通じて育まれる内発的な想いを原動力に、一人ひとりが成長し、その力を大きな成果へとつなげます。

この2つの目的を達成する正の循環により、事業を成長させ、すべてのステークホルダーの期待に応えながら、企業価値の向上と持続的な貢献を実現します。

マテリアリティ

社会課題の中から、特に重要性が高く、デンソーが強みを発揮できる分野をマテリアリティとして選定しています。

デンソーのマテリアリティ


成長戦略

CORE 2030の中核となる3つの成長戦略の柱を策定しました。商品づくりの強化、モノづくりの革新、人づくり・パートナー共創の3つの柱で、未来に向けた価値創造と成長を加速します。

第1の柱. 商品づくりの強化

エネルギー事情や政策・産業動向、そして人々の暮らし方の違いによって、モビリティは国や地域ごとに、多様に進化しています。デンソーは、多様な市場のニーズに対し、どの選択肢でも必ず必要とされる価値を提供し、技術で支えます。

商品づくりの強化とは、デンソーが磨き上げてきたコンポーネントをベースに、「深化」と「進化」の二つを進めることです。「深化」では、半導体や材料といった基盤技術を、デンソーの強みである「先端研究開発」の力によってさらに突き詰め、コンポーネントそのものの競争力をさらに高めていきます。「進化」では、デンソーの強みであるメカ・エレクトロニクス・ソフトウェアを組み合わせた「三位一体のシステム提案力」を活かし、個々のコンポーネントを束ねた統合システムとして開発・提案していきます。

この「深化」と「進化」を両輪で進めることで、コンポーネントの強さを、車両全体を見渡したシステム価値へとつなげ、広く社会に貢献していきます。

その実現に向け、2030年までの5年間で研究開発費3.7兆円を投入し、電動化・知能化領域において、売上を現状から約1.5倍となる4兆円規模まで高めていきます。

第2の柱. モノづくりの革新

AIが現場に実装できる段階に入り、現場に蓄積された実践知の価値があらためて高まっています。このことは、デンソーの現場に宿る膨大な実践知が競争力を押し上げる重要な資本となる、大きな好機となったと捉えています。

デンソーの開発・製造現場には、「高品質・高効率なモノづくりの力」を支える、膨大かつ模範困難な実践知が宿っています。デンソーは現場に実装するAIを開発し、実践知と掛け合わせることで、圧倒的なQCD(Quality:品質、Cost:コスト、Delivery:納期)の実現を加速していきます。また、AIの活用によって人の働き方を変え、人が高付加価値業務へシフトしていくことを後押しします。

これらの実現に向け、愛知県西尾市の善明南新工場にて挑戦を進めていきます。これにより、現場で磨かれたモノづくりの力を圧倒的な水準まで高め、世界のモノづくりの景色を変えていきます。

 

第3の柱. 人づくり・パートナー共創

モビリティ領域の新たな共創モデル

今、世界では、地球温暖化や交通事故、資源・エネルギーの安全保障など国や地域を跨ぐ社会課題が深刻化しています。モビリティが社会に新しい価値を提供し続けるには、こうした課題に企業の枠を超えて取り組む必要があります。例えば、走りながら路面より充電する走行中無線給電システムは、航続距離や充電負荷、電池搭載に伴う制約・限界を突破し、モビリティのあり方を変える可能性がある技術です。

一方で、その社会実装には、モビリティの進化と共に、インフラ整備や制度設計など、包括的な取り組みが欠かせません。

デンソーは、このような課題解決に向け、「お客様やパートナーとの強いつながり」 を活かし、さまざまな関係者をつなぐ存在として、ときに先頭に立って課題を解決します。

拡大貢献領域でのパートナー連携

これまでデンソーは、高い信頼性や高度なシステムを要する自動車の技術を活かし、人手不足解消や生産性向上といった社会課題を解決することができる領域として、FA (Factory Automation)や農業の領域での新たな価値創出に取り組んできました。今後、自社の強みを生かしながら、共に成長できる戦略的パートナーとの連携を加速させていきます。

FAにおいては2030年、日本国内の製造人財の不足人数19万人の1割にあたる1.9万人の人手不足解消に貢献し、売上3,000億円規模を目指します。農業においては、2030年に生産性向上75%、売上1,000億円規模を目指します。

また、半導体事業では、産業機器、民生機器などの領域展開を加速していきます。それにより、産業機器領域、民生機器領域、車載領域の3領域間のシナジーの最大化し、幅広く価値向上を実現していきます。

 

人づくり

デンソーの成長の原動力は、「人」です。社員一人ひとりが、新たな価値創出に向けて挑戦することで、お客様や社会からの信頼と共感を生みだし、そのことがまた、社員の挑戦意欲となり、次の価値創出へとつながっていきます。

この挑戦の循環を回し続けるために、一人ひとりの専門性の可視化と計画的な育成に加え、AI・先端半導体など戦略領域での高度専門人財の獲得・育成を強化します。デンソーは、社員の挑戦をこれからも後押ししていきます。

経営指標

2030年までの5年間で研究開発に3.7兆円、設備投資に2.2兆円、IT・知財・人財などの価値創造基盤に7000億円を投入することで、2030年に売上8兆円以上、営業利益率10%以上、ROE11%以上の達成を目指します。また、成長への投入と株主還元を両立し、2030年までの5年間で、投入と株主還元を合わせて8兆円以上を目指します。

財務KPI

項目 目標
売上 8兆円以上
(電動化1.9兆円・ADAS1.0兆円、FA3,000億円、農業1,000億円)
営業利益 10%以上
ROE 11%以上
投入/株主還元 8兆円以上 (2026~2030年度累計)

サステナビリティKPI

項目 目標
脱炭素 クレジット付きカーボンニュートラル
(35年クレジットなしカーボンニュートラル)
交通安全 事故シーンカバー率 80%
(2035年事故シーンカバー率100%)
産業の労働生産性向上 1.9万人の人手不足解消に貢献
農業生産性向上 75%