CEOメッセージ
社是の精神を受け継ぎながら、全員の力を結集して、サステナビリティ経営を実践していきます
当社の原点は、創業の精神である社是です。この社是に込められた先達の想いを継承、実践し、次世代にたすきをつなぎ続けていくことが、私たちのサステナビリティ経営の根幹だと考えています。社是にもある「最善の品質とサービスを以って社会に奉仕す」という言葉が示すとおり、社会のために行動するのが当社のモットーであり、その精神は、デンソー基本理念やサステナビリティ方針にも掲げている当社の使命「世界と未来を見つめ、新しい価値の創造を通じて、人々の幸福に貢献する」にも受け継がれています。
表現は違っても、世のため・人のためという精神は今も昔も変わりません。そして今、カーボンニュートラルといった壮大な社会課題に直面し、自然との共生や暮らしの安心・安全がより一層求められる中、「環境」と「安心」の分野で貢献するという私たちの大義を実現することは、サステナビリティ経営の実践そのものだと思っています。
具体的には、「環境」では、モノづくりでのCO2排出ゼロ、電動化などモビリティ製品によるCO2削減、エネルギー利用によるCO2排出ゼロ、という3つの分野を通じて、2035年カーボンニュートラルを目指します。「安心」領域では、高度運転支援や先進安全技術の開発と、新車・保有車双方への技術の普及を通じて、交通事故死亡者ゼロを目指します。
そして、この「究極のゼロ」というとてつもなく高い目標を達成するためには、全社の力を結集し、多様なアクションを一つ一つ確実に実践していくことが重要です。そのために、当社では、自分たちが向かうべきゴールを明確にし、取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を選定した上で、長期目標だけでなく、財務KPI・非財務KPIを設定し、各職場・個人に浸透を図っています。さらには、経営層の関与・動機付け強化のために、サステナビリティに関するKPIの一部を役員報酬の評価に取り入れはじめました。
また、「究極のゼロ」を通じたサステナブルな社会づくりは、デンソー一社で実現できるものではありません。そこで、当社のサステナブル経営に関する考え方や具体策を、より多くの方々に知って頂き、電動化事業や先進安全・自動運転事業を加速するため、昨年新たにサステナビリティボンドを発行しました。サステナビリティボンドを通じて調達した資金を活用し、世界中の仲間とともに、環境・社会双方の持続可能性により一層貢献して参ります。
創業以来、幾多の困難を乗り越えてきた先達と同じように、「社会の役に立ちたい」「人々を笑顔にしたい」という情熱を絶やすことなく、これからも挑み続ける所存です。社是の精神のもと、全員が一丸となり、社外の仲間も増やしながら、世のため・人のために行動を起こすことで、社会の皆様から「共感」される企業になることができたら、経営者としてこんなにうれしいことはありません。
引き続き皆さまの変わらぬご支援を、よろしくお願い申し上げます。