CEOメッセージ
“社会課題の解決”と“人の幸せ・成長“の正の循環を生み出す企業カルチャーを育て、持続的な社会づくりに貢献していきます。
2023年6月に社長に就任し2年目となりました。今日のデンソーを築きあげてきた先人たち、現在の社員、そしてすべてのステークホルダーの皆様への感謝とともに、“企業の存在意義”という普遍的原点に立ち返り、経営の舵取りを行っていくことがまさに大切であると改めて感じています。
自動車業界は今、電動化や知能化といった大きな時代の変化の中にあります。刻々と変わっていく状況においても、企業の存在意義、果たすべき目的をぶれない軸として掲げ、その軸に沿って経営戦略や事業方針の立案、そして企業カルチャーの構築など、すべての企業活動に対して一貫性を持った経営を行っていくことが、今まさに重要であると考えています。
創業の精神である社是には「最善の品質とサービスを以って社会に貢献す」と掲げており、この想いは不変のDNAであり、サステナビリティ経営の原点です。
その想いを受け継ぎ、現代を生きる私たちデンソーの存在意義、果たすべき目的は、「環境・安心」の分野で社会課題を解決することであり、これこそが“サステナビリティ経営の実践”だと考えています。
環境分野では電動車普及に取り組んでいます。世界各国のカーメーカーの幅広い電動化ニーズに応えていくとともに、エネルギー事情など地域ごとに異なる市場ニーズに対し、業界全体で多様な選択肢を提供し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。
安心分野では、交通事故死亡者ゼロに向け、高度運転支援システムの普及に取り組んでいます。異なる交通インフラやルールなど、各国の事情に寄り添った多様な製品を提供し、一つでも多くの命を交通事故から守り、誰もが安心・安全な移動を享受できる社会の実現を目指して取り組んでいきます。
また、“環境・安心“という理念を軸に、エネルギー、FA、食農など、モビリティ以外の領域でも数多くの技術開発や事業化を進めています。例えば、エネルギー領域ではカーボンニュートラルな世界を目指し、水素エネルギーの事業化に挑戦しており、 デンソー福島や広瀬製作所などで水素利活用の実証実験を開始しました。デンソーのモビリティの技術を結集させ、パートナー企業とともに、地球環境の維持と人々の豊かな暮らしを両立する「水素社会」の実現に挑戦していきます。
このような多くのチャレンジを実現する原動力は、いうまでもなく“人”です。
“人”の力を高めるために、デンソーという会社が、社員一人ひとりが“内発的な想い”から仕事に挑み、働きがいを感じ成長していく場となるよう、企業カルチャーを作り上げていきます。
デンソーが掲げる「環境・安心を軸に社会課題を解決する」という目的に社員が共感し、その実現に貢献したいとの想いを持ち、そして会社も、社員一人ひとりの志や内発的想いを大切にし、挑戦を後押しし、働きがいのある環境を作る。そんな企業カルチャーをつくっていくことが経営者たる私の使命であり、持続的な社会づくりに貢献し続けるサステナビリティ経営の実践と考え、邁進していく所存です。
引き続き皆さまの変わらぬご支援を、よろしくお願い申し上げます。