デンソー、ヘッドランプコントロールシステム用小型ECUを開発 ―従来に比べて約70パーセントの小型化を実現―
株式会社デンソー(本社:愛知県刈谷市、社長:深谷 紘一)は、新しく、ヘッドランプコントロールシステム(AFS)用小型コンピュータ(ECU)を開発しました。このECUは、1月に日本で発売されたトヨタエスティマに搭載されています。
AFSは、ステアリング舵角と車速に応じて、ロービームヘッドランプの向きを水平方向にコントロールすることにより、夜間コーナリング時の視認性を向上させるものであり、2003年に、デンソーがトヨタ自動車、小糸製作所と共同で、世界で初めて開発しました。
今回開発したECUは、主に次の手段により、従来に比べて体積で約70パーセントの小型化を実現しました。
- ヘッドランプの向きをコントロールするモータ駆動回路をモータに移動
- 入力、出力にそれぞれCAN (Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)の通信方式を採用しコネクタ部分を小型化
- マイクロコンピュータやICチップを小型化
AFS用ECU
入力にCAN、出力にLINの通信方式を採用することにより、ECUを小型にするだけでなく入出力側のワイヤーハーネスの数を従来に比べて大幅に削減し、ECUの搭載性も向上させております。
さらに、道路状況や車速に応じたよりきめ細かな配光制御により視認性を向上させるため、中高速域(車速30km/h以上)で左右のロービームを同時に水平方向に動かす機能を追加するとともに、交差点や急カーブなど特に低速で走行する領域において、制御の改善を行いました。また、小型化と回路の標準化により、低コスト化も実現しております。
デンソーのAFS用ECUは、AFS制御機能だけでなく、ヘッドランプを垂直方向にコントロールするオートレベリング制御機能も持っています。しかし、従来のAFS用ECUは、オートレベリングECUよりも高価格だったため、オートレベリング機能のみをもつ車両にはオートレベリングECUが採用されていました。
今回開発したAFS用ECUは、低コスト化により、オートレベリング用のみとしても提供可能になりました。したがって、車両メーカは、ヘッドランプコントロールの機能に応じて、異なったECUの搭載を検討する必要がなくなります。
デンソーは、ヘッドランプシステム用だけでなく、エンジン制御用、ハイブリッドシステム用、安全システム用など、様々なECUを開発しており、今後も車両メーカや社会のニーズに応えた製品開発を進めてまいります。
以上