DRIVEN BASE

デンソー、ハイブリッドバス用電動式パッケージクーラーを発売 ~電動コンプレッサーをクーラーユニットに搭載し一体化~

2010年6月28日

 株式会社デンソー(本社:愛知県刈谷市、社長:加藤 宣明)は、このほど、ハイブリッドバス用に電動コンプレッサーを搭載したクーラーシステムを開発、2010年6月に日野自動車株式会社(本社:東京都日野市、社長:白井 芳夫)から発売された「日野ブルーリボンシティハイブリッド」に初めて採用されました。

 従来のハイブリッドバス用のクーラーシステムでは、通常のバスと同様に車両エンジンの動力でベルトを介してコンプレッサーを駆動していたため、エンジンの停止時にはクーラーも停止してしまいました。また、車両エンジンによる駆動のため、エンジンの周辺にコンプレッサーを搭載する必要がある一方、バス用のクーラーユニットはバスの屋根部に搭載されているため、両者をつなぐための長い冷媒配管を設置しなければなりませんでした。

 本製品は、量産品としては日本初となる、インバーター付電動コンプレッサーをクーラーユニットに内蔵したオールインワンタイプの電動式パッケージクーラーで、エンジンに関係なく車両駆動用バッテリからの電力でコンプレッサーを駆動するため、エンジン停止時でもクーラーを使用することができるようになります。また、エンジンの動力を利用しないため、必要に応じてコンプレッサーの回転数を細かく制御、駆動させることができ、高効率な運転が可能となるとともに、吹き出し口からの冷風の温度のバラツキも少なく、快適性も向上します。
 さらに、これまで必要であったコンプレッサーとクーラーユニットをつなぐ配管が不要となり、クーラーシステムの架装性向上及び部品の削減(冷媒配管など)による軽量化を実現しました。

 環境性能の観点からは、コンプレッサーの電動化及びシステムのコンパクト化により、従来のバスクーラに対しコンプレッサーの消費電力を約50%低減(当社比)させることに成功。さらに、エンジン停止時でもクーラーが使用できるため乗客の快適性を損なわず、アイドルストップの更なる普及にも貢献します。

 環境意識が高まる中、特に公共性の高いバス車両は、保有台数の多さ、車両あたりの燃料消費量の多さなどから、燃費低減が求められています。デンソーはこれからも、乗員、乗客の快適性と環境性能を両立させた製品の開発を通じ、先進的クルマ社会創造へ貢献していきます。

ご参考



電動式パッケージクーラー クーラーユニット


日野ブルーリボンシティハイブリッド

以上