デンソー、「Global Safety Package 3」を開発
~ミリ波レーダーと画像センサーで、車両の安全性能向上に貢献~
株式会社デンソー(本社:愛知県刈谷市、社長:有馬 浩二)は、車両の周辺環境を認識し、安全性能向上に貢献する「Global Safety Package 3」*1を開発しました。2021年8月に発売された「日野レンジャー」、2021年10月に発売された「レクサスNX」、2022年1月に発売されたトヨタ「ノア」「ヴォクシー」に搭載される予防安全システム向けの製品として採用されています。
「Global Safety Package」は、車両や道路などの形状を検知する「ミリ波レーダー」と、カメラで自車の前方環境を検知する「画像センサー」を組み合わせることで、ドライバーの運転を支援するシステムです。デンソーは今回新たに、3世代目となる製品を開発しました。
交通事故をなくし、自由な移動を実現するためには、安全製品をさらに進化させ最先端の技術を車両に搭載していくこと、また価格面でも魅力ある製品を開発し、より多くの車両に普及させることが重要です。「Global Safety Package 3」は、予防安全・運転支援シーンの拡大と、小型・低コストの両立をコンセプトに開発されました。
<ミリ波レーダー>
製品の特徴
右折時に前方からくる対向直進車や、右左折時に前方から接近する横断歩行者との衝突回避支援など、交差点での衝突事故回避に貢献するため、検知角度と距離を拡大し、かつ速度分解能*2を向上しています。また、さまざまな車種への搭載を目指し、検知性能の改善とレーダーの小型軽量化を両立し、車両への搭載制約を軽減しています。
開発のポイント
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アンテナ設計の改善、電波伝送の効率化などにより、検知角度と距離を拡大
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電波伝送の変調時間を増加し、速度分解能 を向上
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アンテナ・電源基板の統合、電波の送受信のアンテナチャンネル数を減らしアンテナを小型化するMIMO技術の採用、製品構造の簡素化などにより、製品の使用部品数を従来品と比べ半数以下に削減し、小型化・低コスト化を実現
<画像センサー>
製品の特徴
交差点での衝突事故回避支援に貢献するため、水平画角を拡大しています。また、より広い速度域での車間制御クルージング、レーンチェンジ支援の実現に貢献するため、車両の検知距離も拡大しています。さらに、車間維持支援、交通標識認識支援などの機能拡大に貢献するため、AI技術を活用し認識性能を向上しています。
開発のポイント
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高感度高画素イメージャーの採用により、検知可能な水平画角および距離を拡大
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AI技術を生かし、画像データから走行可能エリア、先行車両、立体物、標識などを高性能に検知。車両や歩行者は、前面・後面・側面などあらゆる向きからの検知を実現
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画像処理とシステム制御処理を一つにするマイコンレスや、プロセッサーの発熱をコントロールする構造設計の採用、レンズ設計の見直しによる製品の小型化・低コスト化を実現
デンソーは、今後も高度運転支援に関する技術開発を推進し、ドライバー、歩行者をはじめとする、世界中のすべての人にとって安全で自由な移動の実現に取り組んでいきます。
*1 Global Safety Package 3のソフトウェア開発は株式会社J-QuAD DYNAMICSの協力を得ています
*2 速度分解能:二つのものを分離して検知できる速度差
<製品写真>
<Global Safety Package 3 紹介映像>