デンソー、日本で初めてCatena-XのEcoPass認定を取得
~デンソーのアプリケーションからCatena-Xデータ連携を実現~
株式会社デンソー(本社:愛知県刈谷市、社長:林 新之助、以下、デンソー)は、2025年2月14日、欧州自動車業界でのサプライチェーン間における安全なデータ交換を可能にするデータスペース*1「Catena-X(カテナエックス)*2」のEcoPass(エコパス)*3認定を、日本企業として初めて取得しました。これにより、デンソーが開発を進めている「デジタルプロダクトパスポート*4(以下、DPP)」用アプリケーションのデータ交換機能がCatena-Xのルールに準拠しており、安全なデータ交換ができることが認められました。また今回の認定は、Catena-XのBusiness Application Provider*5としても日本企業として初めての認定取得となりました。
近年、社会全体でのカーボンニュートラルへの取り組みや、資源を経済システムの中で循環させるサーキュラーエコノミーへの転換が求められています。持続可能な製品づくりのため、製品の製造元や使用材料、CO2排出量、リサイクル性などの情報を電子記録にするDPPの取り組みが世界的に進められており、企業や業界、国境をまたぐデータ連携の仕組みの構築が必要とされています。
日本においては、経済産業省主導によるデータ連携の取り組みである「Ouranos Ecosystem(ウラノス・エコシステム)」の構築が2023年4月から始動しており、デンソーは自動車産業でデータ連携を行う際の課題整理や必要事項の検討を推進*6してきました。
欧州においても、自動車業界におけるデータ連携を実現するための取り組みとしてCatena-Xが運用されており、デンソーはグローバルで事業を展開する自動車部品メーカーとして、2021年にCatena-Xへ参画しました。そして、このたび日本企業として初めてCatena-XのEcoPass 認定を取得しました。
今後2027年2月からは欧州電池規則*7に基づき、DPP初のユースケースとして、車載・産業用電池などの電池製品への「バッテリーパスポート」の導入が義務付けられる見込みです。デンソーは、将来に向けバッテリーパスポート用アプリケーションの開発を進めており*8、今後完成したアプリケーションはEcoPass認定を有する安全なデータ交換サービスとして、自社での活用はもちろん、サプライチェーンの皆さまにも提供することで、自動車業界の法規制遵守を支援します。
なお本アプリケーションは、ヨーロッパ最大級の通信企業であるドイツテレコムの子会社としてITサービスを提供するT-Systemsが開発した、EDC*9コネクタを含むCatena-X接続用のソフトウェア製品を利用しています。T-Systemsは、Catena-Xソフトウェアの主要開発企業の一つであり、Business Application Providerを含む複数のCatena-X認定を取得しています。
これからもデンソーは、国内外問わず世界各地で循環型のバリューチェーンを促進させ、持続可能な社会の実現へ貢献していきます。
*1データスペース: 企業や組織の枠を越えて、互いに信頼性を確保しながらデータを共有、連携できるよう標準化された仕組み
*2 Catena-X: 自動車業界において、バリューチェーン全体のプレイヤー間の連携を可能にするデータエコシステム
*3 EcoPass: Catena-Xが定義するデータモデルに基づき、Catena-Xのルールに準拠した企業同士のデータ交換を実現する機能
*4デジタルプロダクトパスポート: 製品の持続可能性を証明する情報として、製造元、使用材料、リサイクル性、解体方法等、製品のライフサイクルに沿ったトレーサビリティを確保するためにさまざまな情報が記録されたデジタル証明
*5 Business Application Provider: Catena-Xが定めるユースケースを基に、特定のビジネスニーズに応じたソリューションを提供する企業
*6電動車向けバッテリーの業界横断エコシステムの構築開始 | ニュースルーム | ニュース | DENSO - 株式会社デンソー / Crafting the Core /
*7欧州電池規則: 持続可能な電池製品の生産と利用を推進するため、2023年8月に欧州にて発効された規則
*8日本の産業の基盤となる、「バッテリーパスポート」の開発|DRIVEN BASE(ドリブンベース)- デンソー
*9 EDC: Eclipse Dataspace Componentsの略称。Catena-Xにおいて、どのような条件でデータ交換するかを個別に決定できるデータ主権を確保しながら、企業間で安全に通信するための標準コンポーネント