DRIVEN BASE

MESSAGE:新任社外取締役メッセージ

多様な地域、産業、政府機関での経験を活かし、新たな視点から貢献していきます

社外取締役 Joseph P. Schmelzeis, Jr.

株式会社セガ取締役や駐日米国大使館首席補佐官を経て、Cedarfield合同会社職務執行者を務める。2022年から現職。

先進的で実効的なデンソーのガバナンス

2022年6月の定時株主総会をもって、デンソーの社外取締役に就任したことをご報告申し上げます。デンソーはイノベーションと卓越した製造技術で、常に自動車業界の最前線に立 つとともに、世界各地に根を張り、様々なステークホルダーとの信頼関係を構築してきました。自動車業界のグローバルな環境変化をビジネスチャンスに変えられる、独自のポジションを持つ会社と言えるでしょう。

デンソーは歴史ある日本の大企業ですが、そのコーポレートガバナンスは先進的です。社外取締役3名を含む取締役会は、自由闊達な議論の場となっています。また、社外取締役だけによるミーティングによって客観性を高め、より率直な意見交換ができるようにするといった配慮もなされています。経営判断の客観性を高めるため、社外からのインプットを必要とし、真摯にそれに学ぼうという態度が感じられます。形式的なガバナンスとは一線を画す、デンソーの積極的姿勢を高く評価したいと思います。

自動車業界の「進化」に必要なもの

私と日本との出会いは、アメリカから家族とともに来日した46年前に遡ります。当時、私は13歳でした。高校卒業後はアメリカに戻りイェール大学に進学しましたが、インターンとして社会への第一歩をしるしたのも、日本においてです。以来、日本と海外を往来する日々を送りつつ、通算36年間日本で生活してきました。

私のキャリアは、伝統的な自動車業界から見れば異質かもしれません。経営コンサルティングに始まり、ITベンチャーの起業、サービス業や金融業の経営、さらには政府機関の公務に至るまで、様々な立場に身を置き、数多くの商談・交渉をまとめてきました。ある時は経営者、またある時は駐日米国大使館の首席補佐官として、日本とアメリカ、日本と中国の橋渡しに努めてきました。こうした独自の経歴、人脈に基づき、デンソーの経営判断に新たな視点を導入していきたいと考えています。 自動車業界は今、CASEに象徴される大変革期を迎えています。ITなど異業種からの参入が相次ぐ中、伝統的なアプローチにとらわれない新たな発想が求められています。こう した環境変化に適応し、新たな時代に向けて「進化」を遂げるには、「変異」をもたらすような多様性が欠かせません。日本社会の均質性は大きな強みでもありますが、これからは 性別・国籍・経歴などの面で、より開かれた社会になっていくでしょう。新時代への変化をリードするデンソーの挑戦を全力でサポートし、株主・投資家の皆様のご期待に応えていきます。