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デンソー、作物育成の適切な水分管理に寄与する農業用多機能土壌センサーを販売開始

株式会社デンソー(本社:愛知県刈谷市、社長:林 新之助、以下、デンソー)は、効率的で安定した食料生産を実現できる環境づくりを目指し、2026年4月から畑などの圃場の管理システムを提供するメーカーに向けて多機能土壌センサーの販売を開始しました。

近年、就農人口の減少や気候変動の影響を受け、需要に合わせて食料を安定的に生産・供給できる農業生産体制の構築が課題となっています。食の安定供給や持続可能な農業の実現は、国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)においても重要なテーマであり、環境負荷を抑えながら効率的な生産を実現する取り組みが求められています。デンソーは、これまでも自動車分野で培ったセンシング技術や生産技術などを生かし、施設園芸における環境制御システムや農業ハウスなどの開発を通じて、フードバリューチェーン全体へ新しい価値を提供し、食の安心・安定供給に貢献しています。

こうした背景のもとデンソーは、作物の安定生産を実現するためには、生育に直結する土壌環境を把握し、データに基づいて管理することが重要であると考え、今回多機能土壌センサーを開発しました。
多機能土壌センサーは、1台で土壌の「水ポテンシャル*1」「体積含水率」「電気伝導度*2」「土壌温度」を検知することができます。特に、水ポテンシャル測定機能を一体化している点が大きな特長です。従来の水ポテンシャル測定機器とは異なり、補水などのメンテナンスが不要で設置後の運用も容易なうえ、耐久性にも優れており、高品質で安定したデータ取得が可能です。取得した水ポテンシャルのデータから、作物の種類や生育段階、土壌成分に応じた最適な水分量を把握して潅水*3制御ができるため、収穫量の安定化や、大きさ、色ツヤ、甘みなどの作物の品質向上が期待できます。また、無駄のない潅水による節水効果に加え、データに基づいた生育管理によって収穫時期の調整が可能となるため、作業効率の改善にもつながります。

本センサーは、今後、順次海外にも展開予定です。また、将来的には農業用以外にも、地盤中の水分状態を把握することで土砂災害リスクの検知などへの応用も視野に入れています。

デンソーは、今後も自動車部品製造で培ったセンシングなどの技術を食農分野にも展開し、安定した食の提供を実現する環境づくりへ貢献していきます。

【製品仕様】

名称(型式)  多機能土壌センサー
 用途  圃場の環境モニタリングや自動潅水制御
 機能 土壌の状態検知(水ポテンシャル、体積含水率、電気伝導度、土壌温度) 
 外形寸法  180mm×41mm×23mm
 重量  120g(ケーブルを含めず)

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    多機能土壌センサー
    画像はイメージです。実際の製品とはデザイン・仕様が一部異なる場合があります。

*1 水ポテンシャル:体積あたりの水のポテンシャルエネルギーを指す。単位はkPa。体積含水率が土壌に含まれる水の「量」を示すのに対し、水ポテンシャルは、水が土壌にどれくらい強く保持されるかという「力」を示す。水ポテンシャルが小さいほど、作物は水を吸いやすい。作物にとっては水の量(含水率)よりも、水の吸いやすさ(水ポテンシャル)の影響が大きいため、水ポテンシャルを測定することで、水不足によるストレスの有無や最適な潅水タイミングを正確に判断できる。
*2 電気伝導度: 電気伝導度が高い、つまり電気が流れやすいほど土壌の中に肥料分が多い。適切な肥料管理をするために活用される。
*3 潅水:土壌や農作物に水を撒くこと。