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デンソーとテュフ ラインランド ジャパン、AESCのESS用電池向けバッテリーパスポートの実用性を実データで確認

2026年6月29日

株式会社デンソー
テュフ ラインランド ジャパン株式会社
株式会社AESCジャパン

株式会社デンソー(本社:愛知県刈谷市、代表取締役社長:林 新之助、以下、デンソー)とテュフ ラインランド ジャパン株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:岡本 邦裕、以下、テュフ ラインランド ジャパン)は、株式会社AESC Group(本社:神奈川県横浜市、CEO:David Wan、以下、AESC)のESS*1(定置型蓄電システム)用電池の実データを活用し、バッテリーパスポートの共同検証(以下、本検証)を実施しました。本検証において、デンソーは各社と連携しながら、バッテリーパスポートの技術基盤の構築・提供を担い、テュフ ラインランド ジャパンは独立した第三者認証機関として、バッテリーパスポートが欧州電池規則*2に適合するとともに実環境での運用において実用的かつ実現可能であることを確認しました。この成果は、AESCのESS用電池の欧州市場展開に向けた取り組みの一助となることが期待されます。

■課題と背景
近年、社会全体でのカーボンニュートラルの実現や、資源を経済システムの中で循環させるサーキュラーエコノミーへの転換が強く求められており、これに伴い持続可能な製品づくりの取り組みが加速しています。中でも欧州では、製品のトレーサビリティ情報をデジタルで管理・提示するDPP*3(デジタルプロダクトパスポート)の導入が進められており、2027年2月からは、欧州電池規則に基づき、車載用・産業用などの電池製品に対してバッテリーパスポートの導入が義務付けられる予定です。一方で、同規則に対応するためには、実データに基づくデータ整備やシステム運用に加え、第三者検証を含めた実用性の確保が課題となっています。

■本検証の概要
こうした背景のもと、デンソーとテュフ ラインランド ジャパンは2025年9月にデジタルプロダクトパスポート推進に向けての覚書を締結*4しました。この連携に基づき、本検証ではAESCが提供する欧州市場向けESS用電池の実データを活用することで、欧州電池規則に基づくバッテリーパスポートの実用性と規制適合性を検証しました。

デンソーは、欧州電池規則に準拠したバッテリーパスポートの生成・管理を支援するサービスを提供しました。本サービスは、バッテリーパスコンソーシアム*5が策定した規格に基づき、製品ごとにバッテリーパスポートを生成し、製品に付与されたQRコードを通じて電池情報にアクセスできる仕組みです。また、利用者の立場に応じて閲覧可能な情報を制御するアクセス権限管理機能を備え、各ステークホルダーのデータ主権を尊重したデータセキュリティ確保と規制対応の両立を図っています。

AESCは、ESS用電池のメーカーとして、今後義務化が予定されるバッテリーパスポート規制に対応していくため、将来の欧州向け製品輸出や顧客要求を踏まえたデータ整備を行うとともに、ESS用電池事業における実データを提供しました。さらにAESCは、同制度への全面的な対応を見据え、本検証の対象となるデータ範囲にとどまらず、バリューチェーン全体にわたるサステナビリティおよびコンプライアンス体制を構築し、体系的な管理体制と厳格な品質管理を実施しています。また、バッテリーパスポートの活用により、バッテリーのリサイクルおよび再利用に向けた循環型の仕組みを構築し、長期的な持続可能性の確保に取り組んでいます。

テュフ ラインランド ジャパンは、第三者認証機関の立場から、欧州電池規則およびDIN DKE SPEC 99100*6などの規格に基づき、バッテリーパスポートサービスで取り扱われるデータ項目を検証しました。

■本検証の成果
実データを用いた検証を通じて、実際の事業環境において欧州電池規則の要求を満たすために必要なデータ整備や運用上の課題が明確になるとともに、デンソーのバッテリーパスポートサービスが、制度上の形式的な要件への対応にとどまらず、実際のビジネスで運用可能な実用性の高い仕組みであることが確認されました。また、第三者認証機関であるテュフ ラインランド ジャパンによる審査を通じて、バッテリーパスポートが規制適合性およびデータの信頼性の両面において有効であることが確認されました。

今後、デンソーとテュフ ラインランド ジャパンは、本検証の成果を基盤として、AESCの車載用動力電池も対象に検証範囲を拡大し、より広範な用途に向けたバッテリーパスポートの実践を共同で推進していきます。これらの取り組みにより、欧州のみならずグローバル市場における規制対応を推進するとともに、自動車メーカーなどのお客さまの資源循環を通じた価値創出を支援し、持続可能な社会の実現へ貢献していきます。

*1 ESS:Energy Storage System、電力を一時的に蓄え、必要な時に供給し電力の需給バランスを保つことを目的としたシステム。
*2 欧州電池規則:持続可能な電池製品の生産と利用を推進するため、2023年8月に欧州にて発効された規則。
*3 DPP:製品の持続可能性を証明する情報として、製造元、使用材料、リサイクル性、解体方法等、製品のライフサイクルに沿ったトレーサビリティを確保するためにさまざまな情報が記録されたデジタル証明の総称。
*4 デンソーとテュフ ラインランド ジャパン、持続可能な製品づくりの実現とデジタルプロダクトパスポート推進に向けて覚書を締結
*5 バッテリーパスコンソーシアム:欧州電池規則で義務付けられているバッテリーパスポートのフレームワークと実装ツールを開発するために設立された欧州の官民パートナーシップ。
*6 DIN DKE SPEC 99100:ドイツ標準化協会(DIN)とドイツ電気・電子・情報技術委員会(DKE)により発行された規格。デジタルバッテリーパスポートに含まれるべきデータ属性の要件を規定しており、必須情報には電池の製造者情報や材料構成、CO2フットプリントなどが含まれる。