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リスク管理

基本的な考え方

デンソーはグローバルな事業展開に伴い、多様化するリスクを最小化すべく、内部統制の一環としてリスク管理の充実・強化に取り組んでいます。
具体的には、経営被害をもたらす恐れのある事柄を「リスク(まだ現実化していない状況)」と「クライシス(現実化した緊急事態)」に区分し、事前にリスクの芽を摘む未然防止、クライシスが発生した場合に被害を最小化する迅速・的確な初動・復旧対応に注力しています。

推進体制

デンソーでは、リスクマネジメント統括責任者「チーフ・リスク・オフィサー(CRO)」を議長とする「リスクマネジメント会議」を設置し(2020年)、リスク管理体制・仕組みの改善状況の確認、社内外の環境・動向を踏まえた重点活動の審議・方向付けなど、グループ全体として、平時における経営被害の未然防止と有事における最小化に向けた対応力強化を推進しています。
また、クライシス発生時(有事)に迅速かつ的確に対応できるよう「クライシス・コミュニケーション・マニュアル」を制定し、事態判断、報告基準、報告ルート、社内外対応の基本等を明確にしています。さらには事態の大きさや緊急度によって専門の「対策組織」を編成し、被害の最小化に向けて機動的に対応できるようにしています。

 

リスク管理体制(平時)

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クライシス発生時(有事)の対策組織

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リスクの把握と対応の明確化

デンソーでは自社にとってのリスクを常に把握し、被害の最小化と事業継続の両面からリスク管理を行っています。
生命・信用・財産・事業活動に関し、発生頻度と影響度、取り巻く環境などから主要なリスク項目を抽出。それぞれに責任部署や各リスクの影響度・発生の要因・事前予防策・初動/復旧対応などを明確にし、未然防止、初動・復旧対策の強化に取り組んでいます。
2021年からは、特にリソースを投入し対策を推進するリスクを「重点リスク」に選定し、危機管理の更なる強化に向けた計画・目標の設定とリスクマネジメント会議への実績報告を行うとともに、2021年度からは会社目標に組み込み、リスクマネジメント会議に加え、取締役会においても活動の進捗状況を確認しています。2021年度における主要なリスク項目は42項目、重点リスクは11項目です。主要なリスク項目および重点リスク項目は、社会で問題になっているテーマやデンソーでのリスク発生の頻度・影響度などを考慮し、適宜見直しを実施しています。

主要なリスク項目

    • 主要なリスク項目

なお、リスクマネジメントを着実に推進するため、グループを横断的に統括する独立した組織「リスクマネジメント推進室」を設置(2020年)。
2021年には、国家間の経済覇権争いなどが原因で発生する企業間取引の制限など、「経済安全保障上のリスク」の高まりを受け、社内の備えを強化すべく「経済安全保障室」を新設しました。

具体的な取り組み

リスクの未然防止および有事の初動対応強化と事業継続計画「BCP」の策定

企業を取り巻くリスクは近年増大しています。例えば、地球温暖化の進行とともに、気候変動による自然災害の頻発・深刻化が懸念されています。また足元では、新型コロナウィルス感染症や地政学リスクの高まりなど、今までに経験したことのない新たなリスクが次々と押し寄せています。
このような中、万が一、有事が発生した場合には、人命第一の考えのもと、迅速に事業復旧を図り、経営被害を最小化することが重要です。デンソーでは、事業継続マネジメントの観点から、BCP*の策定に着手し、有事行動マニュアルの策定や減災対応などに取り組んでいます。
特に自然災害や地政学リスク、遭遇事変など、多くのリスク要因でサプライチェーン上の部材供給問題が生じるため、この問題への対処方法を明確にすることはBCP上においても非常に重要です。サプライヤーからの部材供給が遅延もしくは停止し、デンソーの生産およびお客様への納入が遅延・停止するリスクに対しては、まずは初動対応強化を通じて、リスク耐性強化を図っていきます。半導体や樹脂などは、一定の基準で安全在庫を確保していますが、昨今の需給の逼迫を受け、サプライヤーの皆さまやお客様と築き上げた信頼関係を基盤に、今後の適切な安全在庫の持ち方を検討し、安定供給に繋げます。また、特定地域からの供給に限定されるような特殊仕様設計ではなく、グローバルどこからでも供給できるような標準仕様設計を検討し、安定供給の構えを構築していきます。

    • 具体的な取り組み

BCP*:Business Continuity Plan。地震等の大規模災害により事業が中断した場合に、目標とする時間内に事業復旧を図り、経営被害を最小化するための計画

[リスク対応事例] 感染症対策

感染症が発生または流行した場合、対策本部の迅速・正確な意思決定を実現すべく、基本方針や被害想定に基づく対応や各部の役割などを明確にした行動計画を策定しています。万一の際は、従業員と家族の安全確保を最優先に、必要な感染防止対策を推進しつつ、事業継続に向けた最大限の対応を実施します。
新型コロナウィルス感染症に対しては、当社は感染拡大初期に、CROを中心に、対策本部を速やかに設置しました。従業員と家族の安全確保を最優先に、感染予防と事業への影響の最小化に向けた施策を検討・指示するとともに、各国要請と現地事情をタイムリーに収集すべく、各海外地域統括会社と対策会議を実施しています。また、基本的な感染症対策の徹底とともに、時差通勤やテレワークを活用した在宅勤務推奨などの対策を実施しています。今後もグローバルで連携し、危機を乗り越えるべく対応していきます。

 主な感染防止対策

 1  勤務について
     対面・オンラインを最適に組み合わせ、引き続き在宅勤務を活用する
     緊急事態宣言発令地域・まん延防止等重点措置適用地域においては、極力在宅勤務にする
     業務上、出社せざるを得ない場合も、可能な限り出社率が30%以下となるよう調整する
        

2   出張・会議・イベントについて
     国内出張は、感染防止対策を講じた上で慎重に判断する
     海外出張は原則禁止
     打ち合わせは対面・オンライン双方のメリット・デメリットを考慮の上、最適な方法を選択する
     対面の打ち合わせは感染防止対策を講じた上で実施する
     社内外イベントへの参加や開催は、必要性を慎重に判断し、感染防止策を講じた上で対応する

     ※以下、緊急事態宣言発令・まん延防止等重点措置適用時の対応
     対象地域との往来となる出張は原則として禁止する 
     打ち合わせはオンライン開催を原則とする
     対面を前提とした社外イベントへの参加を禁止とし、社内イベントは原則として開催の中止または延期とする
               
 3  感染症対策の徹底
     毎朝出社前に検温を実施し、37℃以上の発熱がある場合には上司へ連絡し自宅待機
     こまめな手洗い等の実施(出社後・外出後・食事前等)
     人混みを避け、咳エチケットを守る
     密集環境をつくらない、部屋の換気をする
     不要不急の外出、大人数や長時間におよぶ飲食を伴う会合は控えるなど、政府・自治体の要請に従った行動をとる

日本における取り組み

従業員への浸透・啓発活動

自然災害だけでなく、交通事故、情報セキュリティなど、さまざまなリスクが存在しています。
有事において被害を最小化するためには、従業員が日頃からいかにリスクを意識し未然防止に努めるか、そしてクライシス発生時に適切な行動がとれるかが重要です。(株)デンソーおよび国内グループでは、従業員のリスクの理解促進・意識向上に向け、さまざまな啓発活動を実施しています。

主な浸透・啓蒙活動 [(株)デンソー]

2004年度~

「リスク対応ポケットガイド」

地震・火災・交通事故発生時の行動を明示
全社員に常時携帯を義務付け

2006年度~

(株)デンソー管理職向け「リスク管理研修」

新任の部長・工場長・事業グループ等の室長を対象にリスク管理研修を実施

2006年度~

「安否確認システム」訓練

大規模災害時の従業員の安否確認の迅速化にむけ、「安否確認システム」への登録訓練を実施。(2回/年)
家族間で安否を確認しあえる掲示板機能も導入

※国内グループ会社においても実施

今後の取り組み

デンソーでは、今までに経験したことのない様々なリスクに直面しています。特に一昨年以降の品質問題において、お客様の信頼と、デンソーの経営基盤を揺るがしかねない事態に直面しました。他にも、新型コロナウィルス感染症や生産部材の逼迫問題、サイバーテロなど、外部環境に起因するリスクの影響も甚大です。このような状況から、リスクマネジメントが経営の最重要課題の1つであることを再認識し、リスク対応力を強靭なものとするため、今後もリスクマネジメントの抜本的な改革を推進していきます。