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リスク管理

基本的な考え方

デンソーはグローバルな事業展開に伴い、多様化するリスクを最小化すべく、内部統制の一環としてリスク管理の充実・強化に取り組んでいます。
具体的には、経営被害をもたらす恐れのある事柄を「リスク(まだ現実化していない状況)」と「クライシス(現実化した緊急事態)」に区分し、事前にリスクの芽を摘む未然防止、クライシスが発生した場合に被害を最小化する迅速・的確な初動・復旧対応に注力しています。

推進体制

デンソーでは、「リスク管理会議」を設置し、グループ全体のリスク管理体制・仕組みの改善状況の確認、社内外の環境・動向を踏まえた重点活動の審議・方向付けなど、グループ全体として、平時における経営被害の未然防止と有事における最小化に向けた対応力強化を推進しています。

また、クライシス発生時(有事)に迅速かつ的確に対応できるよう「クライシス・コミュニケーション・マニュアル」を制定し、事態判断、報告基準、報告ルート、社内外対応の基本等を明確にしています。さらには事態の大きさや緊急度によって専門の「対策組織」を編成し、被害の最小化に向けて機動的に対応できるようにしています。

2020年1月には、リスク管理体制をさらに強化すべく、グループ全体のリスクマネジメント統括責任者「チーフ・リスク・オフィサー(CRO)」を設置するとともに、統括組織として「リスクマネジメント推進室」を立ち上げました。

 

チーフ・リスク・オフィサー(CRO)メッセージ

変動に起因する自然災害が頻発・深刻化する中、足元では新型コロナウイルス感染症の発生と、今までに経験したことのない新たなリスクが次々と押し寄せています。私たちはリスクマネジメントの重要性を再認識しなければなりません。
デンソーでは従来、平時では重大リスクを特定した対応策でリスク回避を図る「未然防止」と、有事では迅速かつ的確な初動・復旧対応による「被害のミニマム化」の2つの視点でリスクマネジメントの充実・強化を図ってきました。
先が読み難い時代において、より一層、リスクに対する推進体制を盤石にすべく、2020年1月にグループ全体のリスクマネジメント統括責任者「チーフ・リスク・オフィサー(CRO)」を選任、また、デンソーグループを横断的に統括する独立した組織「リスクマネジメント推進室」を立ち上げました。
今後、私たちが向き合っていくウィズコロナ・アフターコロナの世界は、ナショナリズム、非接触化、デジタル化など、社会構造や生活様式の変容が避けられません。自動車業界のCASEの動向にも変容・変質が現れると予測されます。
私はCROとして、新しい推進体制のもと、関係部門とともに早期にリスクを見極 め 、対処していく所存です。

CRO
副社長
臼井 定広

リスク管理体制(平時)

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クライシス発生時(有事)の対策組織

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具体的な取り組み

リスクの把握と対応の明確化

デンソーでは自社にとってのリスクを常に把握し、被害の最小化と事業継続の両面からリスク管理を行っています。
生命・信用・事業活動・財産に関し、発生頻度と影響度から「42のリスク項目」を選定。
それぞれに主管部署や各リスクの影響度・発生の要因・事前予防策・初動/復旧対応などを明確にし、未然防止、初動・復旧対策の強化に取り組んでいます。
リスク項目は、社会で問題になっているテーマやデンソーでのリスク発生の頻度・影響度などを考慮し、適宜見直しを実施しています。

デンソーにとっての主なリスク

要因
リスク項目
内部要因(事故・ミス) 環境汚染・異常、災害(労働災害、火災・爆発)、リコール、生産障害(エネルギー供給トラブルなど)、情報セキュリティ事故、人事・労務関連トラブル(人権問題、海外拠点労務トラブルなど)、メンタルヘルス、交通事故、内部情報管理ミス など
内部要因(法令違反) 独禁法違反、脱税、不適切な派遣・請負活用、製品法規違反、贈収賄関連法令違反 など
外部要因(自然災害) 地震、台風、集中豪雨、落雷 など
外部要因(政治・社会) PL訴訟、為替変動、自然災害、仕入先供給問題、遭遇事変(戦争・テロ・誘拐等)、感染症蔓延 など

日本における取り組み

(1)社員への浸透・啓発活動の拡充

リスク発生の未然防止とクライシス発生時の被害の最小化には、社員が日頃からいかにリスクを意識し、かつクライシス発生時に適切な行動がとれるかが重要です。
(株)デンソーおよび国内グループでは、社員のリスクの理解促進・意識向上に向け、さまざまな啓発活動を実施しています。

具体的浸透・啓蒙活動 [(株)デンソー]

2004年度~ 「リスク対応ポケットガイド」 地震・火災・交通事故発生時の行動を明示
全社員に常時携帯を義務付け
2006年度~ (株)デンソー管理職向け
「リスク管理研修」
新任の部長・工場長・事業グループ等の室長を対象にリスク管理研修を実施

(2) 主なリスクへの対応

自然災害へのリスク対応強化(事業継続計画の策定)

日本では、近い将来、巨大地震の発生が予測されています。
また、今後、地球温暖化の進行とともに、気候変動による自然災害が増加することが懸念されています。
自然災害では、従業員の生命を守るとともに、生産・納入活動が中断した場合には、速やかに事業復旧を図り、経営被害を最小化することが重要です。
㈱デンソーおよび国内グループでは、事業継続マネジメントの観点から、事業継続計画「BCP」の策定に着手しています。
BCPの対象を「有事における初動から復旧に至るまでの行動の見える化」と「減災対応(重要インフラ対策、代替性や工場立地などの観点から調達上のリスクが高い部品への対策)」と捉え、有事行動マニュアルの策定や減災対応などに取り組んでいます。

また「人命第一」の考え方から、社員および社員の家族も組み入れた浸透・啓発活動(初動対応訓練、「安否確認システム」訓練)を展開しています。

今後も、グループ全体で、震災リスクをはじめとする自然災害リスクに対する対応策を強化していきます。

BCP:Business Continuity Plan
地震等の大規模災害により事業が中断した場合、早期に事業復旧を図り、経営被害を最小化するための計画。

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感染症対策

感染病が発生あるいは流行した場合の対応については、対策本部の迅速・正確な意志決定を実現するために、対応の基本方針や被害想定に基づく対応内容や各主管部署の役割などを明確にした行動計画を策定しています。
万が一発生した際は、「従業員の生命・安全の確保を最優先」との基本方針のもと、必要な予防および感染対策を推進するとともに、事業継続に向け状況を踏まえた最大限の対応を実施していきます。

【TOPICS】新型コロナウィルス発生・拡大への対応

中国における感染拡大の一報を受け、デンソーではチーフ・リスク・オフィサーである副社長をヘッドとする新型コロナウィルス対策本部を速やかに本社に設置しました。
社員及びその家族の安全確保を最優先に、感染予防と影響の最小化に向けた施策を検討・指示するとともに、各国・各地域の公的要請と現地事情等に応じた対応をタイムリーに行うため、海外の各地域統括会社と毎日WEB対策会議を実施し、現地の情報収集と状況に応じた必要な指示を行いました。
またデンソーでは、基本的な感染症対策(毎朝出社前に検温、こまめな手洗い、密集環境をつくらないなど)の徹底とともに、時差通勤や従来より働き方改革の一環で導入していたテレワークを拡大運用した在宅勤務推奨などの対策を実施しました。
未だ世界全体における新型コロナウィルスの終息が見えておらず予断を許さない状況です。またウィルス変異による強毒化などのリスクも懸念されます。引き続き、グローバルで連携し、情報をタイムリーに収集し、拡大状況・傾向変化に応じた対応・対策を実施していきます。

今後の取り組み

リスク発生の未然防止とリスク発生時の被害の最小化に向け、リスク主管機能部を集めた情報連絡会・研修会を開催し、リスクの事前対策(予防・初動)のレベルアップに取り組んでまいります。