“知能”を持った ディーゼルエンジン

世界最高レベルのクリーンな排出ガス、静粛性、燃費向上を実現するために、いかに最適な量やタイミングで燃料を噴射し続けられるか――。
エンジン内のインジェクタ(燃料噴射装置)に圧力センサを組み込む。それが、次世代のディーゼルエンジンをつくるi-ARTという世界初の技術です。

※i-ART:intelligent Accuracy Refinement Technology (自律噴射精度補償技術)
i-ARTは、日本およびその他の国における当社の登録商標です。

発明から120年。
ディーゼルエンジンは、
新たな進化のステージへ

ドイツのルドルフ・ディーゼル氏によって1893年に発明されたディーゼルエンジンは、蒸気機関に代わるエンジンとして世界中で利用されるようになり、現代では、排出ガスを浄化しCO2排出量も少ない「クリーンディーゼル」へと進化。そしてi-ARTという技術を得た今、新たな進化のステージへ向かおうとしています。

最適な燃料の噴射を
いかに制御するのか

圧縮した空気に燃料を噴射すると燃え始めるのが、ディーゼル。自然に燃えるからこそ、燃料噴射の量やタイミングをいかにして最適に制御するかが最も重要。動き続けるうちに生じるズレさえもコントロールできないかーー。
ディーゼルエンジンをさらに進化させる、その決め手となったのは、燃料の噴射状態を常に“見る”技術でした。

“インジェクタにセンサを埋め込む?
前人未到の開発”

石塚 康治
i-ART開発プロジェクトリーダー
ディーゼルエンジン制御システム技術者

「コモンレールに付いているセンサに目が留まり、ふと、これをインジェクタに取り付けて噴射を“見る”ことはできないだろうか、と」

世界初
i-ARTのテクノロジー

いかにして噴射の状態を“見る”のか。それは、圧力センサを小型化してエンジンのインジェクタに組み込むことで実現しています。

組み込まれた圧力センサは、インジェクタ内部の燃料圧力と温度の変化を高精度に測定。毎秒1000回にも及ぶ燃料噴射の量と圧力、タイミングを最適にコントロールし、世界最高レベルのクリーンな排出ガス、静粛性、燃費向上を実現するのが、i-ARTという類いまれな技術です。 

 

10万分の1秒の
ズレを直す。
それがi-ARTという“知能”

i-ARTは、噴射量とタイミングの“ズレ”を自ら調整します。その精度は、実に10万分の1秒。時速300kmのF1カーが1mm進む間隔で燃料噴射を制御するi-ARTの技術は、“知能”を持つ、革新的なディーゼルエンジンを世に送り出したのです。

バイオ燃料など、
世界のさまざまな燃料にも対応

ディーゼルエンジンのパワー、燃費、環境性能を大幅に向上させるi-ART。噴射精度を悪化させやすい不純物の多い燃料やバイオ燃料を用いても、高精度な噴射を制御しつづけます。今や世界中から多くの注目を浴びる技術です。

風が変わる ブラジルのジャングルを 抜ける風も

ブラジル向けのトヨタハイラックスは、i-ARTが採用されたディーゼルエンジンを全面的に搭載。排出ガス浄化装置(DPF)を用いずに、ブラジルの排ガス規制「PROCONVE L6規制」をクリアし、かつての“黒煙”や“騒音”といったイメージは皆無。ジャングルを抜ける風もクリーンに変えています。

ディーゼルエンジンが 主流のヨーロッパでも i-ARTは“革命“

i-ARTはボルボの環境対応エンジンDrive-Eシリーズに採用されています。
クラス最高レベルの出力と燃費を両立するのに貢献、新エンジンのPRポイントになっています。

“知能”を持つエンジンが世界のディーゼル市場を牽引。
よりクリーンで快適な未来へ向けて、次の“革新”へ

i-ARTは、クリーンディーゼルの革命児。
この技術革新が、ディーゼルエンジンの更なるイノベーションを呼び起こし、快適なクルマ社会の発展に貢献していきます。

そして私たちの開発フィールドは、ディーゼルエンジンのみならず、ガソリンエンジン、電動化システムに渡り、それぞれの領域でチャレンジし続けています。
地球を守り、次世代に明るい未来を届けたい。その思いを実現するために、私たちが“革新”に取り組む手を緩めることはありません。