デンソーとUSJC、車載パワー半導体の量産出荷を開始
拡大する電動車市場に向け300mm ウェーハでのIGBTを出荷
株式会社デンソー
ユナイテッド・マイクロエレクトロニクス・コーポレーション
ユナイテッド・セミコンダクター・ジャパン株式会社
株式会社デンソー(本社:愛知県刈谷市、代表取締役社長:有馬 浩二、以下、デンソー)と、半導体ファウンドリー大手のユナイテッド・マイクロエレクトロニクス・コーポレーション(以下、UMC)の日本拠点であるユナイテッド・セミコンダクター・ジャパン株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:河野 通有、以下、USJC)は、本日300mmウェーハでの絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor以下、IGBT)の出荷を開始しました。
出荷式の様子、(左から) デンソー代表取締役社長 有馬 浩二、UMC Co-President Jason Wang
世界的なカーボンニュートラルに向けた取り組みにおいて、電動車の開発・普及が加速する中、電動車は航続距離や電費のさらなる向上が重要な課題となっています。このような背景から、電動車のモーターを駆動・制御するインバーターに採用されているパワー半導体には、発熱による電力損失の低減と小型化が求められています。デンソーは、従来のIGBT(IGBTとダイオードを別チップで接続したもの)と比べ、エネルギー損失を最大20%削減した小型で低損失な次世代IGBT(RC-IGBT=ダイオードと一体のIGBT)を開発しました。今回デンソーとUSJCが共同で新設した製造ラインにて生産し、2025年には月産10,000枚を目指します。
2022年4月に3社は、電動車の中核デバイスであるIGBT生産で協業することを発表し、2023年上期の生産開始を目指してきました。本日、USJC三重工場で行われた出荷式典には、野原 諭 経済産業省商務情報政策局長をはじめ、一見 勝之 三重県知事、伊藤 徳宇 桑名市長、デンソー 代表取締役社長 有馬 浩二、UMC Co-President Jason Wangなどが出席しました。
<各社のコメント>
デンソー 代表取締役社長 有馬 浩二
「本日、デンソー、UMC、USJCの3社のパートナーシップを象徴する記念すべき出荷式を迎えることができ、大変うれしく思います。半導体業界と自動車業界という異なるカルチャーを持った者同士が、お互いに尊重し合いながら地道に取り組んできたことは競争力の源泉となっています。今後もデンソーは、信頼し合える仲間とともに、競争力ある半導体の生産を通じて電動化をさらに加速させ、地球環境の保全と笑顔あふれる社会の実現に挑戦していきます。」
USJC 代表取締役社長 河野 通有
「USJCが日本の半導体ファウンドリー企業としては初めて300mmウェーハでのIGBT製造を実現し、200mmウェーハでの製造に比べ、より高い生産効率をお客様に提供できることを誇りに思います。デンソーのサポートと当社の専門チームの貢献により、試作と信頼性テストを滞りなく完了し、お客様と合意した量産スケジュールを守ることができました。」
UMC Co-President Jason Wang
「車載ソリューションをグローバルに提供する、デンソーの戦略的パートナーになれたことを誇りに思います。今回の協業は、製造能力と協力的なアプローチによって、我々ファウンドリー企業がお客様を成功に導くことをまさに証明しました。自動車の電動化・自動化は、特に28nm以上のプロセスノードにおいて、スペシャルティ・ファウンドリーのプロセスで製造される半導体の車載搭載量を増加させていくでしょう。UMCは、スペシャルティ・テクノロジーのリーダーとして、自動車のバリューチェーンにおいてより大きな役割を果たす立場にあり、急速に進化する産業において我々のパートナーが市場シェアを獲得できることを目指します。」
(テープカットの様子、(左から)USJC Chairman S F Tzou、UMC Co-President Jason Wang 、一見 勝之 三重県知事、野原 諭 経済産業省商務情報政策局長、伊藤 徳宇 桑名市長、デンソー 代表取締役社長 有馬 浩二、デンソー 経営役員 加藤 良文)
デンソーについて
デンソーは、先進的な自動車技術、システム、製品を提供するグローバルな自動車部品メーカーです。「地球に、社会に、すべての人に、笑顔広がる未来を届けたい」をスローガンに、「環境」「安心」に貢献する新たな価値を生み出し、これからのモビリティ社会を支える7つのコア事業、エレクトリフィケーションシステム、パワートレインシステム、サーマルシステム、モビリティエレクトロニクス、先進デバイス、インダストリアルソリューション、 フードバリューチェーンを中心に様々な事業活動に取り組んでいます。またこれらを通じてモビリティの電動化や先進安全・自動運転、クルマと人とモノがつながるコネクティッドなどの分野に注力しています。現在では世界35の国と地域に研究、生産、営業拠点を構え、世界各地で活躍する約17万人の社員が一丸となり、地域ごとのニーズに合わせて高い品質・高い技術に裏打ちされた優れた製品やサービスをお届けしています。https://www.denso.com/jp/ja/
UMCについて
UMC (NYSE: UMC, TWSE: 2303) は、世界有数の半導体ファウンドリー企業です。同社は、エレクトロニクス業界のあらゆる分野に向けて、ロジックやさまざまなスペシャルティ・テクノロジーを中心とした高品質のIC製造サービスを提供しています。UMCの包括的なIC処理技術と製造ソリューションは、ロジック/ミックスドシグナル、組み込み高電圧、組み込み不揮発性メモリ、RFSOI、BCDなどを含みます。UMCの12インチと8インチのファブは中核となる研究開発拠点を兼ね添え、台湾を中心にアジア各地に展開しています。UMCでは、合計12の工場で月産85万枚(8インチ換算)の生産を行っており、すべての工場で自動車用品質規格IATF-16949の認証を取得しています。UMCは、台湾の新竹市に本社を構え、米国、欧州、中国、日本、韓国、シンガポールに現地法人を置き、全世界で20,000人の従業員を擁しています。https://www.umc.com