デンソー、冷却効果と環境負荷低減を両立するトラック用停車時クーラー「Everycool」を発売

株式会社デンソー（本社：愛知県刈谷市、社長：林　新之助、以下、デンソー）は、トラックのエンジン停止時に使用する停車時クーラー「Everycool（エブリクール）」を開発しました。本製品は株式会社デンソーソリューション(本社:愛知県刈谷市、社長: 新竹 敦)を通じて本年12月^*1より販売を開始する予定です。

デンソーは、2035年の未来に向けて「人流」「物流」「エネルギー流」「資源流」とそれらを支える「データ流」の5 つの流れを相互につなげ、統合的に制御することで新しい価値を生み出し、人々の笑顔があふれる「幸福循環社会」の実現に取り組んでいます。「物流」においては、運送ドライバーの労働環境改善や効率的なエネルギー活用などの物流業界が抱える課題の解決を目指しています。

今回、デンソーが開発した「Everycool」は、トラックのエンジン停止時に使用できる冷房装置で、特に夏の暑い時季における「ドライバーの労働環境改善」と、燃料の消費低減による「環境負荷低減と効率的なエネルギー利用」の両立を実現します。

＜Everycoolの特長＞
・快適性と省動力の両立
「Everycool」は、デンソーがこれまで培ってきた気流コントロールなどの空調技術を活用し、ドライバーに集中的に冷風をあてることにより快適性を向上しました。また車室内全体を冷却する従来の停車時クーラーに対し消費電力を約57％低減^*2させ、省動力を実現しました。そのため車両に搭載されている標準バッテリーで使用可能です。

・小型軽量
従来の停車時クーラーは、熱交換器用の送風機を室内機と室外機に設置していましたが、「Everycool」は送風機を一体化し、1台で全体の熱交換を可能にしました。また、車載技術を用いて専用に開発された小型の電動コンプレッサーを搭載しました。これら2つの技術により、従来の停車時クーラーに対し約30%の小型化^*2と約63%の軽量化^*2を実現しました。小型化により車室内空間の確保につながり、ドライバーの休憩の質向上や安心安全な運行に貢献します。さらに軽量化により積載量への影響を最小限に抑え、配送効率維持を実現します。

・多種多様な車種への対応
従来の停車時クーラーに比べて小型な「Everycool」は、リアウインドウ^*3の視界を妨げることなく設置することができます。そのため、大型トラックだけでなく、中型トラックやトラクター（けん引車）、また新車から既販車まで多様な車種への搭載が可能です。

デンソーは今後も、物流業界での課題解決に取り組み、社会から「共感」いただける新たな価値提供に取り組んでいきます。


＜Everycoolの概要＞

＜Everycool車内搭載イメージ＞

ドライバーの利用シーンに合わせて集中冷却を実現

^*1 2023年12月は一部の大型トラックを対象に販売。その他の車種は2024年以降の販売予定
^*2 市場に流通している停車時クーラーより算出した平均値　（当社調べ）
^*3 後方の視界を確保する役割を持つ、クルマの後ろ側についている窓

【ご参考】
「Everycool」に関する詳細についてはこちらをご覧ください。
https://am.denso.com/everycool/