生物多様性
基本的な考え方
~生態系に配慮した取組み~
国際社会では、昆明・モントリオール生物多様性枠組み(GBF)において、2030年までに自然の損失を止め、回復軌道に乗せる「ネイチャーポジティブ」の実現が掲げられています。これは、気候変動問題と相互に影響する社会全体の課題であると同時に、企業の持続的な事業活動にも影響を及ぼす重要なテーマです。わたしたちは、この課題を経営と事業の質を高めるための重要な視点として捉え、自社の事業が自然にどのように依存し、どのような影響を与えているのかを整理し、その結果を踏まえて実行可能な改善を積み重ねていきます。当社は、対話と検証を繰り返しながら、生態系に配慮した事業運営を推進していきます。
具体的な取り組み
事業所内・周辺における地域固有の生態系・希少な生物の保護
国内外の工場では、各地域固有の生物多様性を保全するためにモニタリング調査や野鳥保護区域の設置など、地域の特性に応じた活動を展開しています。
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ビオトープ[(株)デンソー(日本)]
善明製作所では、1998年に絶滅危惧種の淡水魚ウシモツゴが発見されたのを機にビオトープ(約3,000m2)を整備。カルガモが飛来する里山の生態系をつくりだしています。また、2004年に地元の小学生と協力してつくった高棚製作所のビオトープ(1,500m3)では、メダカの飼育や地元のタカナタチョウを呼び戻す取り組みを行っています。
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「マツムシソウ」の自生地の保護活動 [デンソー岩手]
里山に生息する希少植物保護にも目を向け、岩手県レッドデーターブックAランクに指定されている「マツムシソウ」の自生地の保護活動に参加しています。
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エコガーデン[DMUK(イギリス)]
エコガーデンと森林散策路は、工業地域の中にありながら、生物多様性を感じられる憩いの場を提供しています。
従業員や地域の方々、学校などが自然や環境に親しむことができるよう開放されています。 -
ワイルドフラワーガーデン [DMMI(米国)]
数千Km規模の長距離を移動する、北米原産の在来種「モナーク蝶」の回遊を支える生態系ネットワークの中継点として評価され、 Monarch Waystation に指定されています。
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ビオトープ[DNIN(インド)]
2004年に開園し、毎年トップマネジメントによる環境イベントやファミリーデ―に参加した社員の家族と、果樹や薬効のある樹を植樹しています。さらに、腐葉土づくりも自ら行い、環境に優しい活動をしています。
| 事業所 | 生物名 | カテゴリー |
|---|---|---|
| 善明製作所 (愛知県西尾市) |
ウシモツゴ |
絶滅危惧IA類(CR) |
| 大安製作所 (三重県いなべ市) |
アブラボテ |
準絶滅危惧(NT) |
| デンソー岩手 (岩手県胆沢郡) |
マツムシソウ |
レッドデーターブックAランク(岩手県) |
| デンソー網走テストセンター (北海道網走市) |
クマゲラ |
絶滅危惧II類(VU)天然記念物 |
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ベニバナシャクヤク |
絶滅危惧II類(VU) |
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エゾサンショウウオ |
情報不足(DD) |
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オジロワシ |
絶滅危惧Ⅱ類(VU)天然記念物 |
【注】
CR:絶滅危惧IA類 深刻な絶滅の危機に瀕している種
VU:絶滅危惧Ⅱ類 絶滅の危険が増大している種
NT:準絶滅危惧 存続基盤が脆弱な種
DD:情報不足 カテゴリーを判定するための情報が不足している種
デンソーグループの環境貢献活動の推進
各国の事業所が、植樹活動や地域美化活動などの環境貢献活動を推進しています。
水域保全
事業所周辺、あるいは各国各地域の代表的な水域における生物多様性保全を、地域と共に、社員も参加しながら活動推進しています。
例えば、(株)デンソー豊橋製作所では、2007年からNPO法人「表浜ネットワーク」と協働で、絶滅が心配されているアカウミガメの産卵地である表浜海浜海岸の環境保全に取り組んでいます。
また、世界各国の事業所で、生物が生息する水域の環境保全・美化活動に取り組んでいます。
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アカウミガメの保護活動[(株)デンソー豊橋製作所(日本)]
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生物多様性保全のための河川美化活動[DNKR(韓国)]
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環境汚染による生物多様性保全のための海岸清掃活動 [DNTW(台湾)]
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Manila Bay and Pasig Riverの水域保全活動 [DTPH(フィリピン)]
森林/里山保全
日本における森林保全は、生物多様性の維持・回復において「重要な基盤」であり、ホットスポットである日本の価値と責任の両方を支える中核的な取り組みです。デンソーは地域と連携を図りながら、多くの社員と共に保全活動を継続しています。
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「天童・不思議の森」活動[(株)デンソーFA山形]
事業所所在地である天童市の「天童・不思議の森」活動に参加し、市内指定の森の維持活動を行っています。
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「イーハトーブ星降る森」活動[(株)デンソー岩手]
自社で使用する水源であり、地域のCO2吸収を行う千貫石森林公園の森の整備を社員と家族のボランティアにより年2回実施しています。
「水源の森づくりプロジェクト」[(株)デンソーユニティサービス]
愛知県の水源といわれる豊田市足助地区で、2005年より毎年「水源の森づくりプロジェクト」を推進。間伐・植林地整備に加え、自然観察ハイキングや工作を親子で楽しめるコースもつくり、森林保全及び自然に親しむ活動を継続しています。
「緑のプロジェクト」 デンソー網走テストコース周辺の森
地域の方々と社員・家族・NPOが一体となり、枝打ちや間伐活動、や自然体験学習を継続しています。
緑のプロジェクトは、その他の生物多様性をテーマとした取組みを含め、2026年3月までに計65回開催し、これまでに地域住民、(株)デンソーおよび国内グループ会社の社員とその家族、延べ9,471人のボランティアが参加しました。
植樹/植栽による緑地の復元
わたしたちは、森林保全だけでなく生物多様性を守るためにも緑地の復元をグローバルに取り組んでいます。
欧州ではドイツ・イギリス・イタリア、南米ではブラジル、アジアではシンガポール・タイ・マレーシア・フィリピン・インド・韓国など多数の国で植樹活動に参加しています。例えば、フィリピンのDNPHでは「Mount Making Tree Planting」プロジェクトに参加。木の成長の進行状況を資料で確認しながら、成長のマイルストーンを描きながら植樹活動を実施しました。また、タイやマレーシアでは、海辺のマングローブの森を守るための植樹活動に多くの社員が参加しました。
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マングローブ植樹 [DNMY(マレーシア)]
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マングローブ植樹活動 [SDM&SKD(タイ)]
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The Royal Tree Planting Activity [SDM&SKD(タイ)]
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Mount Making Tree Planting [DNPH(フィリピン)]
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Plant A Tree プロジェクト[DIAS(シンガポール)]
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植樹活動[DIIN(インド)]
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植樹活動[DNIN(インド)]
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植樹活動[DMBR(ブラジル)]
"Vertical Garden" by Recycling Plastic Bottles [DNIN(インド)]
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Tree Planting Activity in WorldForest[DNDE(ドイツ)]
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DENSO Marston Nature Reserve Tree Planting [Denso Marston(イギリス)]
オールトヨタ生物多様性保全活動
デンソーは、トヨタグループ各社と連携し、生物多様性の保全活動に取り組む「グリーンウェーブプロジェクト」へ参画しています。この活動は、工場内の森づくりや生物の生息域保全などの活動の輪を、グループ各社だけでなく、地域や行政などにも広げていくものです。
経団連生物多様性宣言への賛同
株式会社デンソーは、このほど「経団連生物多様性宣言イニシアチブ」に賛同しています。
当社は、持続可能な社会の実現に向け、アクションプランとして 「デンソーエコビジョン」を策定し、達成すべき目標と具体的な行動を定めています。人と自然が共生していくために、 事業所内の「地域固有の生態系・希少生物の保護」や、地域性苗木による自然配植技法にこだわった緑化活動「デンソー 緑のプロジェックト」を社員とその家族・NPO・地域が一体となり活動を推進しています。
経団連生物多様性宣言イニシアチブは、持続可能な社会の実現のために「経団連生物多様性宣言(改訂版)」の趣旨に賛同する多くの企業・団体が参加しており、将来に向けた取組方針や具体的取組事例が2021年9月開設の経団連Web版に掲載されています。
「生物多様性のための30by30アライアンス」への参加
デンソーは、「30by30(サーティーバイサーティー)」に賛同し、「生物多様性のための30by30アライアンス」に参加しています。
「30by30」とは、2030年までに生物多様性の損失を食い止め、回復させる(ネイチャーポジティブ)というゴールに向け、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする目標です。
デンソーは2006年より、生物多様性の保全をテーマとし、事業所敷地内だけでなく、その周辺地域や自動車が使われるフィールド(高速道路周辺)の緑化活動、社員のマインド向上のための環境教育に積極的に取り組んできました。
これまで培ってきた生物多様性保全に資する長年の経験や知見を活かし、これからも30by30アライアンスへの参加を通じて、持続可能な社会の発展に貢献していきます。
【TOPIC】デンソー網走テストセンター 環境省「自然共生サイト」および国際データベースに認定登録
デンソー網走テストセンターは、環境省レッドリストとして公表されているベニバナヤマシャクヤク(植物)やクマゲラ(鳥類)などの希少な動植物種の保全への取り組みが評価され、日本の環境省「自然共生サイト」および国際データベースOECMに認定登録されました。(2025年8月)
また、自然共生サイト「デンソー網走テストセンター」は、ネイチャーポジティブに向けた民間等の活動をさらに促進する新法による認定も取得しました。(2026年3月)

