2020年度 ハイライト&ローライト(2020年4月~2021年3月)

【4月】

【Highlights】 国内最大級の農業用ハウスでミニトマトの栽培・出荷を開始

株式会社浅井農園と株式会社デンソーが設立した株式会社アグリッドは、三重県いなべ市において国内最大級の農業用ハウスを竣工し、ミニトマトの栽培・出荷を開始しました。

アグリッドは、今回建設したハウスにおいて、浅井農園の持つ国内トップクラスの施設栽培、品種開発技術に、デンソーの持つハウス内の環境制御、作業改善や自働化による省人化などの農業の工業化技術を導入することで、労働力不足が深刻な課題となっている農業を「働きやすい・儲かる農業」にすることを目指しています。

具体的には、農場の飛躍的な生産性向上を目指し、ハウス内の温度や湿度などを環境制御技術で最適化した季節や天候に左右されない安定した野菜の周年栽培、収穫物などの運搬作業や夜間の収穫作業を自動化することで「人と機械の協働」による省人化と農場の24時間稼働に取組みます。この生産性の高い持続可能な次世代施設園芸を通じ、国内外の農業生産事業に貢献していきます。

  • 農業用ハウス

【Highlights】 オランダの施設園芸事業者セルトングループに出資

株式会社デンソーは、欧米を中心に事業展開するオランダの施設園芸事業者であるセルトングループ(Certhon Build B.V.)に出資しました。今後、デンソーとセルトンは、施設園芸分野において技術開発および販売の協業をしていきます。

世界的な人口増加に伴い、食料に対する需要が高まる中、環境問題による気候変動や異常気象により農業生産は不安定要因を抱えています。さらに、高齢化や不安定な収入、厳しい労働環境といった理由から就農人口は年々減少しています。これらの食に関する世界的な課題に対し、気候に左右されない栽培環境の確立や、省人化・重作業の低減といった安定的で持続可能な農業生産体制の構築が必要となっています。

今回デンソーが出資するセルトンは、施設園芸分野での世界トップクラスの先進技術を有し、大規模施設園芸ソリューションを世界20ヶ国以上へ販売するオランダの企業です。

デンソーは、今回の資本提携を通じて、植物工場の完全自動化など次世代施設園芸の技術開発と、セルトンのグローバルな農業ビジネスの知見を生かし世界各国の多様なニーズに合わせた施設園芸パッケージの販売に取り組み、農業ソリューションの提供を目指します。

今後、工業化を通じて持続可能な農業生産に貢献していくと共に、農食分野への新たな価値の提供を目指し、フードバリューチェーンビジネスの構築に取り組んでいきます。

【6月】

【Highlights】 電動開発センターを開設

株式会社デンソーは、自動車の電動化領域の開発、生産体制を強化するため、安城製作所内に「電動開発センター」を開設しました。

デンソーは、将来のモビリティ社会の実現に向けた注力分野として、電動化領域の技術開発に取り組んでおり、これまで、ハイブリッド車向けのインバーターやモータージェネレーター、マイルドハイブリッド用の電池パックなど、電動化車両のキーコンポーネントの開発、生産を行ってきました。また、かねてより、電動化領域の開発環境の整備の一環として、広瀬製作所の開所、海外拠点の拡充を進めてきました。

開所した電動開発センターでは、先行・量産開発、車両やシステムの試験などを行う開発棟、信頼性試験を行う耐久棟、開発した製品の走行試験を行う屋外試験路、量産ラインの立上げを行うための工場を機能的に配置しています。生産人員に加えて、開発・設計人員も集結し、先行開発から試作、実証、量産ラインの立ち上げ・安定化までを一貫して行うことで、電動化領域の製品開発を加速します。また、新しく増設された工場では、将来の工場内からのCO2排出ゼロを目指し、省エネ技術の実証も行います。

デンソーは、安城製作所と広瀬製作所を電動化領域のグローバルマザーとし、電動化製品のグローバルな供給体制を構築します。環境に配慮した工場で生産する電動化製品を世界各地域へ幅広く普及させることで、CO2排出量を削減し、持続可能な社会の実現に貢献します。

【6月~9月】

【Highlights】 後付けペダル踏み間違い加速抑制装置が、複数の自動車会社の純正品に採用

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    加速抑制装置搭載イメージ図

デンソーの後付け装着可能なペダル踏み間違い抑制装置が、スズキ、SUBARU、日産自動車、マツダ、三菱自動車の純正用品として採用され、発売されました。
本製品は、超音波センサー、表示機、コントローラで構成され、発進時・後退時のブレーキペダルとアクセルペダルの踏み間違いによる衝突事故の軽減に貢献します。

デンソーは交通事故の低減に貢献することで、安心・安全なクルマ社会の実現を目指します。

【9月】

【Highlights】 三重とこわか健康経営大賞2020において大安製作所が大賞(三重県知事賞)を受賞

株式会社デンソーは、三重県が主催する「三重とこわか健康経営大賞2020」において、最高位の賞である大賞(三重県知事賞)を受賞しました。これは三重県が「誰もが健康的に暮らせる“とこわかの三重”」の実現に向け、企業などにおける「健康経営」を推進するために2020年度新設した制度です。
今回受賞した大安製作所(三重県いなべ市)は、「三重とこわか健康経営カンパニー(ホワイトみえ)」に認定されている127の企業のうち応募のあった60企業の中から、社員の健康のために先進的な取り組みを実践している企業として認定されました。

デンソーは、心身の健康を社員とその家族の幸せに不可欠なものだと考えており、今後も社員一人ひとりが健康で個々の能力や個性をいきいきと発揮できる環境を醸成するため、心身両面の健康施策を力強く推進していきます。

なお、2020年は株式会社デンソートリムにおいても「三重とこわか健康経営カンパニー2020(ホワイトみえ)」に認定されました。

【10月】

【Highlights】 電池ECUのコア部品、時期型「リチウムイオン電池監視IC」を開発

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    リチウムイオン電池監視IC / 電池ECUのコア部品。電動車両の動力源であるリチウムイオン電池の電圧を監視する重要な役割を担っています。

電動車両の電池を従来よりも効率よく使用することを可能にし、車両の燃費向上や航続距離の延長に貢献する、次期型「リチウムイオン電池監視IC」を開発しました。電池電圧の高精度検出と、監視できる電池セル数を増やし多セル監視を両立した、世界初の製品で、2020年2月に発売された「TOYOTA ヤリス」に搭載されています。今後も、リチウムイオン電池が搭載されるさまざまな電動車両に採用される予定です。

地球温暖化、大気汚染、資源・エネルギー問題などの社会課題を解決するために、ハイブリッド車や電気自動車などの電動車両の普及加速が求められています。デンソーはこれに寄与すべく、車両燃費の向上、車両価格の低減に貢献する技術・製品開発に取り組んでいます。
今回開発した次期型「リチウムイオン電池監視IC」は、デンソーが2015年に開発した従来品と比べて、電池電圧の検出精度を約3倍、監視できる電池セル数は約1.2倍に向上しました。電池電圧の高精度検出と多セル監視を両立させた製品は世界初です。

【Highlights】 緑化優良工場等表彰において西尾製作所が中部経済産業局長賞を受賞

株式会社デンソーの西尾製作所は、工場緑化への取り組みが認められ、緑化優良工場等表彰制度(通称:全国みどりの工場大賞)において、中部経済産業局長賞を受賞しました。
この制度は、工場緑化を積極的に推進し、工場内外の環境向上に顕著な功績が認められた工場や団体および個人を表彰する制度です。取り組み状況によって、日本緑化センター会長賞、中部経済産業局長賞、経済産業大臣賞と段階的に表彰されます。

【11月】

【Highlights】 本格的なEV路線バスの導入に向けたエネルギーマネジメントシステムの検討開始

株式会社みちのりホールディングス、会津乗合自動車、株式会社デンソー、ABB日本ベーレー株式会社、株式会社ダイヘン、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社は、国立研究開発法人 産業技術総合研究所が2020年度に実施する「商用車を活用した物流MaaS(MaaS:Mobility as a Service)の実現に向けた研究開発・実証事業」を受注し、2020年10月から実証事業を開始しました。本実証事業では会津バスが2018年12月から運行しているBYD製のEVバス3台のデータを収集し、デンソーがAI技術を活用して電費*1の分析や予測アルゴリズムの検証を行うとともに、効率的にEVバスの充電を行うための充電管理技術をダイヘンのSynergyLinkを搭載した急速充電器にて検証します。また、みちのりHDのグループ各社の営業所単位でのEVバス導入の可能性を検討します。

*1)  電費とは、電気自動車における単位走行距離当たりの消費電力、または単位電力量当たりの走行距離のことを指します。

将来的な展開

EVバスのエネルギーマネジメントシステムを構築し、エネルギー使用量のモニタリング、それに応じた電気調達の調整、運行計画立案などを一体的に実施することで、導入・運用コストが高いEVバスを合理的な価格で導入・運用することを目指します。また、バスの運行形態をEVバスに適した形に変更することで、必要となる車載電池容量を抑えたEVバス開発の実現可能性や車載電池からの電力融通について検討を行います。これらの検討を通して得られたノウハウを生かし、EVバスの導入を促進することで、持続可能な社会の実現に貢献します。

【Highlights】 第58回技能五輪全国大会・第40回全国アビリンピックでメダルを獲得

株式会社デンソーは、愛知県で開催された第58回技能五輪全国大会(11月13日~11月16日)において4職種で、同時開催された第40回全国障害者技能競技大会(以下、全国アビリンピック)において1種目で金メダル(金賞)を獲得しました。

技能五輪全国大会には、デンソーグループから11職種27名が出場し、「プラスチック金型」「曲げ板金」「工場電気設備」「移動式ロボット」での金メダル4個を含む、14個のメダルを獲得しました。全国アビリンピックでは、デンソーグループから2種目5名が出場し、「電子機器組立」で金メダル1個、銀メダル1個を獲得しました。

なお、第1回から第58回全国技能五輪全国大会までの銅メダル以上の獲得数は延べ544個(内、金メダル 143個)、デンソーが初参加した第27回から第40回全国アビリンピックまでの銅メダル以上の獲得数は延べ28個(内、金メダル14個)です。

デンソーにおける技能五輪およびアビリンピックへの参加目的は、優秀な成績を挙げるだけではなく、訓練を通じて技能者の心・技・体を磨くことで、デンソーの将来を担う人材を育成し、技能を伝承することです。

デンソーは今後も、技術を形にする高度熟練技能とノウハウを、技術開発と共にモノづくりの両輪と考え、技能五輪およびアビリンピックへの取り組みを通じて、技能者育成と技能の伝承を継続していきます。

【12月】

【Highlights】 4社共同社会連携講座設置 「SDGsを実現するモビリティ技術のオープンイノベーション」

東京大学大学院新領域創成科学研究科、株式会社デンソー、日本精工株式会社、株式会社ブリヂストン、ローム株式会社は共同で「SDGsを実現するモビリティ技術のオープンイノベーション」社会連携講座※1を設置いたしました(図1)。
設置期間は2020年12月1日~2024年3月31日(3年4か月)です。本講座は東京大学大学院新領域創成科学研究科に設置され、藤本博志准教授を含む2名体制で実施されます。モビリティの電動化を支える技術の研究開発や電動モビリティを省資源でより持続可能にする技術の研究開発、またオープンイノベーションとして成果の一部を開放する仕組みの試行を実施いたします。

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    ※1 「社会連携講座」とは、公共性の高い共通の課題について、共同して研究を実施しようとする民間等外部の機関(国立研究開発法人を除く)から受け入れる経費等を活用して、学部や研究科などの教育研究を行う機関に設置される講座をいう。