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デンソー、Lean Automation®スクールがグッドデザイン賞を受賞

~モノづくりのノウハウを広める活動を評価される~

2023年10月5日

株式会社デンソーは、2023年グッドデザイン賞において、Lean Automation*1スクールほか、3件を受賞しました。なかでもLean Automationスクールは、デンソーとして初めて「一般向けの取り組み・活動」カテゴリーでの受賞となります。

Lean Automationスクールは、デンソーが世界35の国と地域、130工場で培ってきた、自動車部品製造に求められる「ムダのない経営効率の高い自動化(Lean Automation)」のノウハウを社会に提供することで、日本の製造業の強い現場づくりに貢献したい、という思いから2020年10月にスタートしました。

本スクールでは、①合理化(設計・準備)、②自動化(生産)、③改善(運用)の3つのプロセスを体系的に学び、設備の導入前から導入後までを俯瞰し最適解を提案できる視点を身に付けるとともに、スクール専用模擬ラインにて自動化設備・ラインづくりの一連の業務を疑似体験しながら実践力を養うことを目指しています。さらにグループワークや、講師であるデンソーの現役社員やOBとの相談会などを通じ、講師と受講生、また受講生同士で仲間づくりができるよう工夫をしています。

今回の受賞は、スクール設立時のデンソーの思いに共感いただくとともに、受講者が「Lean Automation」のノウハウをしっかり習得できるカリキュラムが評価されたことによるものです。

<グッドデザイン賞審査員からの評価コメント>
人口減少に伴い、日本の製造業の人手不足は重要で喫緊の課題だ。しかし工場ラインの自動化にはロボットなどのハード面への投資だけでなく、業務工程全体の見直しと業務のスリム化、人材育成といったソフト面での変革の両側面が求められ導入のハードルは高い。このプログラムは、デンソーが製造業として実績を重ね、長年培った業務ノウハウを体系化して、導入に必要なソフトもハードも一気通貫して教育を提供するパッケージ化に優れている。本案件の特筆すべき点は、企業が取り組むべき本質的で実装型の知見を、準備段階から実装、運用マネジメントまでとしてまとめたことだろう。その教育プログラムのロードマップは明解で、腹落ち感が高い。また現場の社員が指導に携わる点もユニークで、共感を与え人的交流の相乗効果にも価値がある。高い実績を持つ企業が他社の発展に寄与して、日本の製造業の未来へ貢献する姿勢に期待を寄せている。

今後もデンソーは、本活動を通じて、自らのノウハウを広めることで製造業におけるグローバル競争の激化や就業人口の減少、指導者不足といった課題の解決を支援し、日本の製造業の成長を後押ししていきたいと考えています。

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      講義の様子①

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      講義の様子②

スクール専用模擬ラインの様子

Lean Automationスクールについて詳しくはこちらをご覧ください。
https://fa.denso.com/solutions/hrd/school/

また今回デンソーは、他3件でもグッドデザイン賞を受賞しました。
・車両用クーラー「デンソーアイドリングストップクーラー」
・電動化製品ブランド「ELEXCORE」
・不良品管理システム「黄伝モバイル」

車両用クーラー「デンソーアイドリングストップクーラー」(Everycool)について9月11日付でニュースリリースを配信しています。
https://www.denso.com/jp/ja/news/newsroom/2023/20230911-01

*1Lean Automationは、株式会社デンソーの商標登録です。


【ご参考】デンソーの「Lean Automation」について

■Lean Automationを構成する3要素
① 自動化の前に合理化:自動化に向けた工程設計に着手する前に、製造現場に内在する7つのムダ(加工のムダ、動作のムダ、在庫のムダ、造りすぎのムダ、運搬のムダ、手待ちのムダ、不良・手直しのムダ)や自動化に内在するムダ・ロス(設備故障、段取り、ロボットの干渉待ちなど)を排除すること
② 現場で磨く自動化技術:現場のノウハウ、人の知恵を生かし自動化に落とし込むこと
③ 改善する現場づくり:ロスの可視化と分析に加えて、ロスの潰し込み活動を生産、生産技術、工機など関係部署が全員参加で改善活動を行うこと

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■貢献できること
デンソーはこれまで培ってきたLean AutomationにFactory-IoT*2やAI、デジタルツインなどの新たな技術を取り入れ進化・発展させることで、製造業における環境変化や社会課題の克服に貢献できると考えています。

① 地球環境:エネルギークリーンなモノづくり
デンソーは2035年までに生産活動におけるカーボンニュートラルの実現を目指しています。再生エネルギーの活用やCO2を回収し再利用する取り組みとともに、Factory-IoTによって設備単位や時間単位でエネルギー使用量を見える化し、現場のノウハウや人の知恵を生かしながら、ムダやロスを排除する徹底的な省エネ活動に取り組んでいます。また、これらの省エネ活動で蓄積したデータを基に、CO2排出量を抑制する設備設計を行っています。

② 事業環境:変種変量へのスピード対応
モビリティの環境変化が激しい中では、市場のニーズに合わせて変動する製品の種類と数量に生産システムが素早く対応することが必要です。デンソーでは、モジュール化した生産ラインを製品の種類や数量に応じて変化させるシステムを開発しています。さらに、サイバー空間上でモジュール化した生産ラインの組み換えを事前検証し、実際の設備変更へ反映することで生産ライン変更にかかる時間を極限まで短縮しています。この取り組みにおいても、あらかじめ組み換えを前提にムダ・ロスを排除しておくことや、サイバー空間上での検証時にどのような情報を分析するかなど、長年培ってきたLean Automationのノウハウが生かされています。

③ 労働環境:働き方の変革と働きがいの向上
Lean Automationは、生産に携わる作業者と技術者の働き方を変え、働きがいを向上させることを通じて、若者の製造業離れを食い止めることや人手不足の解消に貢献します。例えば、従来自動化が難しいとされてきた目視外観検査などストレスが高い工程をロボット技術とAI技術を組み合わせることで自動化を進めています。生産現場で実際に検査を行う技能者と生産技術者、AI技術者が知恵を出し合い、設備の準備やAI学習を効率化していきます。これにより設備の導入がスムーズになり、時間的な余裕を生み、より挑戦的な仕事に取り組むことができるようになります。


*2工場においてIoT(Internet of Things)を活用すること。デンソーでは、世界中の工場をIoT技術でつなぎ、工場の様々な機器から収集したデータを一つのクラウドに蓄積しています。それにより、作業者の動きや生産設備の稼働状況などのリアルタイムな分析などが可能になります。