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デンソー、令和8年度全国発明表彰において発明賞を受賞

2026年6月16日

株式会社デンソー(以下、デンソー)は、公益社団法人発明協会が主催する令和8年度全国発明表彰において、「EV*1の走行中霜取りを可能とするヒートポンプを活用した熱マネジメントシステムの発明」(特許第7392296号)に関する技術開発が評価され、「発明賞」を受賞したことをお知らせします。
なお、表彰式は、2026年6月15日にThe Okura Tokyo(東京都港区)にて開催されました。

全国発明表彰は、日本の科学技術の向上と産業の振興に寄与することを目的に、多大な功績を挙げた発明や考案、意匠などを表彰する制度です。今回受賞した「発明賞」は、科学技術的に秀でた進歩性を有し、顕著な実施効果を上げている発明などを対象としています。

このたび受賞した「EVの走行中霜取りを可能とするヒートポンプを活用した熱マネジメントシステムの発明」は、EVにおけるヒートポンプ暖房*2時の室外器*3への着霜*4による効率低下および冬季の航続距離低下という課題に対し、車両全体の熱を有効活用しながら、放熱部への冷水供給における急激な温度変化(ヒートショック)を抑制する新たな技術により、走行中の除霜*5の実現につなげたものです。
従来は、除霜運転能力が限られ、駐車中のプレ空調時などにしか十分な除霜ができず、着霜環境下では航続距離が著しく低下していました。また、温水供給による除霜を行う場合は、放熱部へ冷水が戻ることでヒートショックによる損傷が起きることが課題となっていました。
本発明では、通常の暖房時の水の流れから除霜用の流れへ切り替える際に、放熱部への冷水の流量を適切に制御し、異なる温度の水を混合しながら水温を段階的に調整することで、ヒートショックの緩和を実現します。さらに、その後段階的に温水供給量を増やすことで、安定的な除霜性能を確保します。
これにより、走行中の除霜を可能とし、着霜環境下において電動車の航続距離を約20%向上することを実現しています。また本技術は、電池加熱や暖房性能向上などにも応用可能であり、EVの機能向上に幅広く寄与することが期待されます。

デンソーは今後も、車両全体での効率的なエネルギーマネジメントを追求し、環境にやさしいモビリティ社会の実現に取り組んでまいります。

■受賞者
加藤 吉毅 株式会社デンソー サーマルシステム開発1部 担当次長
牧原 正径 株式会社デンソー サーマルコンポーネント技術1部 担当課長
前田 隆宏 株式会社デンソー サーマル社会ソリューション開発部 課長
谷岡 邦義 株式会社デンソー サーマルマネジメントシステム技術1部 担当係長
岡村 徹     岡村アセットマネジメント合同会社 代表社員(元株式会社デンソー) 

 

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    (左から)牧原 正径、前田 隆宏、加藤 吉毅、谷岡 邦義

*1 EV(Electric Vehicle):ガソリンを使わず電気のみを使って走る電気自動車のこと
*2ヒートポンプ暖房:外気中の熱を取り込み、電力を使って効率的に車内を暖める暖房方式
*3室外器:車両前方等に配置され、外気との間で吸放熱を行うラジエーター
*4着霜:低温環境下で空気中の水分が冷たい部品表面に付着し、霜として凍りつくこと
*5除霜:付着した霜を取り除くこと