自然共生アクション
基本的な考え方
世界中のデンソー約17万人の社員一人ひとりが自然を大切に思い行動すれば、環境問題解決への大きな貢献ができます。デンソーでは、事業活動において環境にやさしいモノづくりをすすめるだけでなく、企業市民として地域社会における環境保全活動にも取り組んでいます。
第7次環境行動計画(2020年~2025年)では、生物多様性の危機の理解を深めて保全行動を促進するため、「生物多様性に資する活動」を強化していきます。
具体的な取り組み
1. グローバル環境貢献活動の推進
各国の事業所が、植樹活動や地域美化活動などの環境貢献活動を推進・継続しています。
2. 生物多様性に資する活動の強化
私たちの暮らしはもちろん、デンソーの事業活動においても、生物多様性が生み出す自然の恩恵に支えられているので、事業活動と生物多様性保全の両立に向けた活動の推進が重要と考えています。
デンソーでは、気候変動対応、環境汚染防止、資源枯渇防止・資源循環に向けた取り組みなど、事業活動を通じて生物多様性を育む自然環境保全活動を推進するとともに、社員が生物多様性について学び、地域と協働しながら生態系の維持・保全に取り組んでいます。
第7次環境行動計画においては、「水域保全・森林/里山保全・植樹/植栽」を重点的に取り組んでいます。
ここでは、各国各地域で、生物多様性の課題解決に取り組んでいる活動事例を紹介します。
1) 水域保全
事業所周辺、あるいは各国各地域の代表的な水域における生物多様性保全を、地域と共に、社員も参加しながら活動推進しています。
例えば、(株)デンソー豊橋製作所では、2007年からNPO法人「表浜ネットワーク」と協働で、絶滅が心配されているアカウミガメの産卵地である表浜海浜海岸の環境保全に取り組んでいます。
また、世界各国の事業所で、生物が生息する水域の環境保全・美化活動に取り組んでいます。
2) 森林/里山保全
森林大国である日本において、健全な森や里山の保全は生物多様性を維持するためにも大変重要です。デンソーは地域との連携を図りながら、多くの社員と共に地道に森林/里山保全活動に参加しています。
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「天童・不思議の森」活動[(株)デンソーFA山形]
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「イーハトーブ星降る森」活動[(株)デンソー岩手]
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「マツムシソウ」の自生地の保護活動[デンソー岩手]
「水源の森づくりプロジェクト」[(株)デンソーユニティサービス]
(株)デンソーでの取り組み ~デンソー緑のプロジェクト
多様な生物が生息する生態系の復元や森林の保全を目的とし、地域の方々と社員・家族・NPOが一体となり、間伐活動や自然体験イベントを開催するなど、2006年から「デンソー緑のプロジェクト」として推進しています。
2023年6月までに計60回の活動を行い、地域住民、(株)デンソーおよび国内グループ会社社員とその家族9,117人のボランティアが参加しました。
3) 植樹/植栽
森林破壊は世界的な問題のひとつであり、生物多様性を守るためにも森の復元をグローバルに取り組んでいます。
欧州ではドイツ・イギリス・イタリア、南米ではブラジル、アジアではシンガポール・タイ・マレーシア・フィリピン・インド・韓国など多数の国で植樹活動に参加しています。例えば、フィリピンのDNPHでは「Mount Making Tree Planting」プロジェクトに参加。木の成長の進行状況を資料で確認しながら、成長のマイルストーンを描きながら植樹活動を実施しました。また、タイやマレーシアでは、海辺のマングローブの森を守るための植樹活動に多くの社員が参加しました。
3. オールトヨタ生物多様性保全活動
デンソーは、トヨタグループ各社と連携し、生物多様性の保全活動に取り組む「グリーンウェーブプロジェクト」へ参画しています。この活動は、工場内の森づくりや生物の生息域保全などの活動の輪を、グループ各社だけでなく、地域や行政などにも広げていくものです。
【TOPICS】「生物多様性のための30by30アライアンス」への参加
デンソーは、「30by30(サーティーバイサーティー)」に賛同し、「生物多様性のための30by30アライアンス」に参加しました。
「30by30」とは、2030年までに生物多様性の損失を食い止め、回復させる(ネイチャーポジティブ)というゴールに向け、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする目標です。
デンソーは2006年より、生物多様性の保全をテーマとし、事業所敷地内だけでなく、その周辺地域や自動車が使われるフィールド(高速道路周辺)の緑化活動、社員のマインド向上のための環境教育に積極的に取り組んできました。
これまで培ってきた生物多様性保全に資する長年の経験や知見を活かし、これからも30by30アライアンスへの参加を通じて、持続可能な社会の発展に貢献していきます。
【TOPICS】
デンソーの技術で生物多様性に貢献
イリオモテヤマネコの交通事故削減を目指す「西表島yuriCargo(ゆりかご)プロジェクト【注】」
現在、わずか100頭ほどの「絶滅危惧種」に指定されているイリオモテヤマネコにとって、クルマが最大の脅威です。イリオモテヤマネコの交通死亡事故発生件数は依然として高く、大きな課題となっています。
デンソーは、環境省西表自然保護官事務所と協働で、デンソーが提供した、スマートフォンで運転をスコアリングし安全運転意識を高めるアプリケーション「yuriCargo」を活用し、西表島を運転するドライバーの安全運転意識を高め、制限速度遵守を心がけることで、絶滅のおそれのあるイリオモテヤマネコの交通死亡事故ゼロをめざすプロジェクトを推進しています。
具体的には、運転中の急ブレーキや急加速、最高速度などを検出し、運転終了後に評価を行い運転スコアなどを表示します。毎月安全意識の高い運転をしたドライバーには、アプリケーション内で「優良ドライバー認定証」を発行し、特典を提供しています。また、「yuriCargo」で収集した運転データを活用し、島内の速度超過状況を可視化するとともに、情報発信も含め安全対策の検討を進めることで、交通事故の削減につなげていきます。