2024年度 ハイライト&ローライト
(2024年4月~2025年3月)
【2024年4月】
【Highlights:環境】
自動車リサイクルにおける再生材利用拡大を目指し、自動車部品解体プロセス等の技術実証を開始
~自動車産業におけるサーキュラーエコノミー実現に貢献~
デンソー、リバー、早稲田大学などにて開始する自動車部品解体プロセス等の技術実証が、環境省の産官学連携推進事業の一つに採択されました。
この技術実証は2025年1月末まで実施予定で、解体・再資源化プロセス等を社会実装するうえでの課題抽出を行います。
本実証を通じて自動車部品の再生材利用の拡大を目指すとともに、自動車産業のサーキュラーエコノミー実現に向けて貢献していきます。
【5月】
【Highlights:安心】
DX注目企業2024に初選定
経済産業省と東京証券取引所および独立行政法人情報処理推進機構が共同で進める「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)*」において、「DX注目企業2024」に初めて選定されました。2024年はDX銘柄に25社、DX注目企業に21社が選定されました。
選定にあたっては、QRコードを活用した食のトレーサビリティシステムの構築などの取組みが評価されたものと考えます。
* 東京証券取引所の上場会社の中から、企業価値の向上につながるデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するための仕組みを社内に構築し、優れたデジタル活用の実績が表れている企業を選定して紹介するもの。
【6月】
【Highlights:環境】
京セラと軽量太陽光発電システムの実証実験を実施
京セラと共同で、既存工場での自家発電率を高める取り組みとして、2024年10月から2025年9月まで、デンソーの西尾製作所にて軽量太陽光発電システムの実証実験を行っています。
1981年以前の耐震基準で設計された工場屋根は、従来の太陽光発電システムの荷重に耐える基準を満たしていないことから、京セラと協力し、既存の工場屋根にも設置可能な軽量太陽光発電システムの検討を進めています。将来的には国内・海外グループ会社への展開も検討していきます。
【Highlights:環境】
本社にてBEVを活用したエネルギーマネジメントシステムの実証を実施
BEVを活用したエネルギーマネジメントシステムを導入し、クルマ移動とオフィスをカーボンニュートラルにする実証を開始しました。
デンソーが自動車部品開発で培った制御技術の知見や品質管理のノウハウを活かし独自に開発したV2X* システムを導入し、太陽光発電装置(オンサイトならびにオフサイト)と社有車のBEVおよび定置用蓄電池の間で電力を最適に活用することで、社有車のBEVとデンソー本社の本館(6階建てのオフィス)のカーボンニュートラルを目指します。
* V2X(Vehicle to X): 自動車とあらゆるモノをつなげる技術のこと。「X」は家、オフィス、工場、系統電力などさまざまな利用先を指す。
【7月】
【Highlights:企業基盤】
インドの「日本式ものづくり学校(JIM)」が経済産業省より認定
デンソー・インディア(DIIN)が開校した企業内職業訓練校「DENSO JIM」が経済産業省より「日本式ものづくり学校* (JIM:Japan-India Institute for Manufacturing)」に認定されました。
DNINでは2024年4月にDENSO JIMを設立し、製造現場における将来のリーダー候補の育成・採用を目指しています。現在、約300名の若い実習生を順次受け入れており、2年の教育期間の中で、実習生は「5S」や「カイゼン」、「アタリマエ」といった日本式ものづくりのコンセプトや実践を通じ、製造業の基礎スキルを学びます。
* 日印首脳間で合意された「ものづくり技能移転推進プログラム」に基づき、インドに進出する日系企業が設立する人材育成機関を認定し、支援するもの
【8月】
【Highlights:環境】
JERA火力発電所において、SOECと排熱活用を組み合わせた、高効率水素生成技術の共同開発ならびに共同実証試験を実施
デンソーとJERAは、デンソーの水電解装置SOEC*を使用し、排熱を活用した高効率水素生成技術などの共同開発ならびにJERAの火力発電所にて共同実証試験を実施することとしました。
このたび両社は、デンソーが開発するSOECを使用して、排熱を活用した高効率水素生成技術などの共同開発を開始し、2025年度よりJERAの火力発電所構内において共同実証試験を実施していきます。
両社は、このたびの共同開発ならびに共同実証試験を通じて、グローバルなグリーン水素・アンモニアサプライチェーン構築の早期実現に取り組み、世界の脱炭素化とエネルギー問題の解決に貢献してまいります。
* SOEC(Solid Oxide Electrolysis Cell / 固体酸化物形水電解装置):セラミック膜を電解質として高温で動作し、水蒸気を電気分解して水素を製造する装置。水素製造については、他にもアルカリ液を電解質とするアルカリ水電解や、高分子膜を電解質とするPEM形水電解があるが、今回共同で開発を行うSOECはそれらと比べて電解に要する電気エネルギーが少ないことが特徴。
【9月】
【Highlights:企業基盤】
日経リスキリングアワード2024にて企業・団体総合部門 最優秀賞を受賞
日本経済新聞社が主催する、優れたリスキリング(学び直し)を通じて人材を育成する企業やそれを支援する公共団体を表彰する「日経リスキリングアワード2024」の企業・団体総合部門にて最優秀賞を受賞しました。
自動車業界では、自動運転や電動化、コネクティッドなどクルマの知能化が進むとともに、SDV(Software Defined Vehicle)の考え方が広がり、ソフトウェア開発の重要性が高まっています。デンソーは、進化を続けるクルマと社会に、新たな価値を提供し続けるため、ソフトウェア開発力のさらなる強化に取り組んでいます。その一環として、ソフトウェア技術者のキャリア形成を支援する「キャリアイノベーションプログラム」と他の技術領域からソフトウェア技術者への転進を支援する「キャリア転進プログラム」という2つのリスキリング関連制度を運用しています。
【10月】
【Highlights:環境】
デンソー網走テストセンターが環境省「自然共生サイト」に認定
北海道網走市にあるデンソー網走テストセンターが、環境省の自然共生サイトに認定されました。
「自然共生サイト」とは、民間の取り組みなどによって生物多様性の保全が図られていると環境省が認定する区域です。2030年までに陸域と海域の30%以上を健全な生態系として保全する行動目標「30by30(サーティ・バイ・サーティ)*」を達成するため、環境省によって2023年度から取り組みが開始されました。
今回「自然共生サイト」に認定された「デンソー網走テストセンター」は、今後OECM(Other Effective area based Conservation Measures:保護地域以外で生物多様性保全に資する地域)の国際データベースに登録され、「30by30目標」の達成に貢献します。
* 生物多様性の実現に向けて2022年12月に採択された「昆明・モントリオール生物多様性枠組」の 2030 年目標の一つ
【11月】
【Highlights:企業基盤】
「PRIDE指標2024」において最高評価のGoldを3年連続で取得
一般社団法人work with Prideが策定する、日本の職場におけるLGBTQ+などの性的マイノリティへの取り組みの評価指標である「PRIDE指標2024」において、最高位の「Gold」を3年連続で取得しました。
【Highlights:企業基盤】
第62回技能五輪全国大会および第44回全国アビリンピックで金賞を獲得
技能五輪全国大会において、「精密機器組立て」「フライス盤」「移動式ロボット」での金賞3個を含む、15個のメダルを獲得。また全国アビリンピックにおいて、「電子機器組立て」で金賞1個を含む3個のメダルを獲得しました。
なお、第1回から第62回全国技能五輪全国大会までの銅賞以上の獲得数は延べ601個(内、金賞 160個)、デンソーが初参加した第27回から第44回全国アビリンピックまでの銅賞以上の獲得数は延べ38個(内、金賞19個)です。
【Highlights:企業基盤】
「グッドキャリア企業アワード2024」においてイノベーション賞を受賞
厚生労働省が主催する「グッドキャリア企業アワード2024」において、社員のキャリア形成支援に関する取り組み内容や成果が顕著であると認められ、イノベーション賞(厚生労働省人材開発統括官表彰)を受賞しました。
【12月】
【Highlights:環境】
「2024年度省エネ大賞」で最上位の経済産業大臣賞を受賞
「技術開発で生み出す新エアー洗浄技術の確立」の経済産業大臣賞をはじめ、3案件が「2024年度省エネ大賞」を受賞しました。
今年度の省エネ大賞では、デンソーとして「経済産業大臣賞」、「資源エネルギー庁長官賞」、「省エネルギーセンター会長賞」の計3つの賞を受賞しました。これにより、当社の省エネ大賞の受賞は2009年から15年度連続となりました。また、最上位の経済産業大臣賞は9年ぶりの受賞、そしてデンソーとして初めて省エネ事例部門で同時に3案件の受賞となりました。
【2025年1月】
【Highlights:環境】
東急コミュニティーとBEV・PHEV向け充電システムを活用した集合住宅向け充電サービスの実証を開始
東急コミュニティーが管理する首都圏のマンションにて、デンソーが開発中のBEV・PHEV向け充電システム(以下、充電システム)を活用した集合住宅向け充電サービスの実証を開始しました。
近年、車両の電動化が急速に進む中、充電サービス・インフラの整備が社会全体での課題となっています。
デンソーは、集合住宅への充電機器導入を促進するために、いつ、だれが、どれだけ充電したかなど充電状況を明確に把握することに加え、建物の契約電力の余力を測定し、効率的に充電するシステムを整備することが重要だと考えています。そこで、不動産管理大手の東急コミュニティーと協力し、長期にわたって安心して利用できる集合住宅向け充電サービスのモデル確立に向けた実証を開始しました。
【Highlights:環境】
スズキ初のバッテリーEV「e VITARA」にeAxle採用
BluE Nexus、アイシン、デンソーが共同開発したeAxleが、スズキ初となるバッテリーEV(BEV)の量産モデル「e VITARA」に搭載されました。
今回採用されたeAxleは、小型モーター・インバーターの採用により、高出力密度で高い動力性能を実現し、さらに損失低減技術により優れた電費性能に貢献しています。
本製品は、車両生産を行うスズキ・モーター・グジャラート社と同じインド国内で生産し、BluE Nexus Automotive India Pvt. Ltd.から供給します。これにより、スズキの市場ニーズに合わせた世界各国でのBEV展開に貢献します。
【3月】
【Highlights:企業基盤】
電動車の充電制御システム「EVECOM」を販売
社用車などを保有する企業や団体、また、集合住宅や商業施設に向けて、BEV・PHEVなど電動車の充電制御システム「EVECOM(イブコム)」を販売開始しました。
今回、デンソーが販売する「EVECOM」は、EV充電器に接続するコントローラーやクラウドサーバーから構成されている次世代のEV充電制御システムです。EV充電器をIoT化してクラウドサーバーやスマートフォンと通信することで、ユーザー認証、電力計量など多彩な機能を発揮し、また、電動車の充電環境整備に伴い増大する電力量やインフラコストの課題を解決します。
「EVECOM」とは、「EV」「Energy(エネルギー)」「Community(コミュニティ)」を組み合わせた造語で、カーライフにおいて新たな価値を創出していくことを目指して名付けました。
【Highlights:環境・安心】
日本で初めてCatena-XのEcoPass認定を取得
欧州自動車業界でのサプライチェーン間における安全なデータ交換を可能にするデータスペース*1「Catena-X(カテナエックス)*2」のEcoPass(エコパス)*3 認定を、日本企業として初めて取得しました。これにより、デンソーが開発を進めている「デジタルプロダクトパスポート*4」用アプリケーションのデータ交換機能がCatena-Xのルールに準拠しており、安全なデータ交換ができることが認められました。
*1
データスペース: 企業や組織の枠を越えて、互いに信頼性を確保しながらデータを共有、連携できるよう標準化された仕組み
*2
Catena-X: 自動車業界において、バリューチェーン全体のプレイヤー間の連携を可能にするデータエコシステム
*3
EcoPass: Catena-Xが定義するデータモデルに基づき、Catena-Xのルールに準拠した企業同士のデータ交換を実現する機能
*4
デジタルプロダクトパスポート: 製品の持続可能性を証明する情報として、製造元、使用材料、リサイクル性、解体方法等、製品のライフサイクルに沿ったトレーサビリティを確保するためにさまざまな情報が記録されたデジタル証明
【Highlights:安心】
地域情報配信サービス「ライフビジョン」が「ソーシャルプロダクツ・アワード2025」優秀賞を受賞
一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協会が主催する「ソーシャルプロダクツ・アワード2025」にて、「ライフビジョン」が優秀賞を受賞しました。
ソーシャルプロダクツ・アワードは、持続可能な社会の実現につながる、人や地球にやさしい優れた商品・サービス「ソーシャルプロダクツ」に光をあて、社会性と商品性の両面を評価する日本で初めての表彰制度です。
今回受賞したライフビジョンは、「誰でも」「簡単」「確実に」をコンセプトにしており、高齢化が進む地域において自治体と住民をつなぐ情報配信サービスとしてすでに90以上の自治体で導入されていることや、災害時に自治体と住民側とで双方向に情報伝達が行えることなど、地域が抱える課題解決に向けた取り組みが高く評価されました。
今後もデンソーは、全国の自治体でのライフビジョンの導入を目指すとともに、地域社会の課題解決に貢献していきます。