究極の燃費性能
基本的な考え方
デンソーは、世界に先駆けて、エネルギー消費・CO2排出量削減に貢献する製品を送り出すため、エンジン制御技術をはじめ、すべての製品で燃費向上に役立つ技術開発を行っていきます。またバイオ燃料、水素など再生可能エネルギーに対応した新技術開発を推進していきます。
具体的な取り組み
自動車のライフサイクルにおけるCO2排出量は、使用段階が最も多いことから、自動車部品が地球温暖化抑制に寄与するためには、軽量化や燃焼効率の改善などによる「燃費の向上」が重要となります。その中で、デンソーが関わる製品分野では、エンジンマネジメントシステム、カーエアコン・安全装置などの車載システム同士を連携させた制御を通じて、より高度な「燃費向上と省電力化」の推進に取り組んでいます。
また、エネルギー損失を減らす「燃費向上・省電力化」の観点にとどまらず、クルマから放出される熱エネルギーや減速時に失われる運動エネルギーを回収・再利用する「回生利用」といった、エネルギーを効率的に使うエネルギーマネジメントの取り組みも進めています。このようなエネルギーマネジメントの仕組み活用に適したハイブリッド車や燃料電池車を始めとした電動化の普及にも力を入れています。
このように駆動システムとサーマルシステムを核に車両から社会に繋がるエネルギーマネジメントを実現し、カーボンニュートラルに貢献していきます。
【注】HEV=ハイブリッド車、BEV=電気自動車、FCEV=燃料電池車、e-VTOL=電動垂直離着陸機
【製品事例】
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SiC(シリコンカーバイド)パワー半導体を用いたインバータ
SiC(シリコンカーバイド)パワー半導体を用いることで、電力損失を大幅に低減。電気自動車(BEV)の電費向上と航続距離の延伸に貢献します。
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高効率エコヒートポンプシステム
エネルギーを効率的に制御し、少ない電力で効率よく大気の熱をくみ上げ暖房に活用。電気自動車(BEV)が抱える熱課題の解決に貢献し、BEVの実用性の向上に貢献します。
【Topic】あらゆるモビリティの電動化技術進化と製品普及を通じて持続可能なカーボンニュートラル社会の実現に貢献
工場・倉庫内の自動運送、また高齢者向けの小型モビリティ、HEV、PHEV、BEVといった乗用、大型、空まで、あらゆる電動モビリティを支える電動化技術を開発しています。なかでも、都市部での渋滞、それにより発生するCO2、幹線から外れた郊外・過疎地へのダイレクトな高速交通網確保といった課題を解決する、電動垂直離着陸機(eVTOL*)向けの電動モータ(e-モータ)開発に取り組んでいます。プロペラ推進型、ジェット推進型の2種類に大別されるeVTOLに合わせ、e-モータを品揃えしました。新規開発したジェット推進型モータは、軽量材料の活用と冷却性能向上により、小型・軽量を実現し、作動時にも排気ガスを排出しない、環境に配慮したシステムです。
デンソーは自動車業界で車両向けに培ってきた電動化技術と高品質製品の量産技術を空のモビリティに応用していくとともに、航空機事業で磨きをかけた技術を自動車業界に還元することで、持続可能なモビリティ社会に貢献していきます。
*eVTOL:Electric Vertical Take-Off and Landing aircraft