推進体制
デンソーは、年2回、経営幹部や全社の環境責任者が出席する「全社安全衛生環境委員会(委員長:取締役副社長)」を開催しています。委員会では、方針の策定や活動の進捗状況の共有、課題や解決策の検討を行っています。
環境マネジメント体制
具体的な取り組み
グループ連結環境マネジメントの推進
デンソーでは、連結環境マネジメント対象会社へ環境方針・指針を共有し、連結環境マネジメントを展開しています。
グローバルにおいて確実に活動を推進するため、世界6極体制(日本、北米、欧州、アジア、中国、南米)で推進しています。また、各地域統括の環境責任者を対象とした、グローバル安全環境会議を毎年開催し、エコビジョンの進捗の確認や課題の解決を図っています。さらに、グループ会社は、エコビジョン目標の達成に向け、年度計画を策定し、活動を推進しています。
また、連結環境マネジメントの評価(Check)、改善(Action)として、国内外のグループ会社を対象とした環境診断を実施し、環境リスク対策・環境負荷低減(CO2、排出物等)・環境社会貢献活動等の状況を現地で確認することによりレベルアップを図っています。
ISO14001認証取得、環境監査の実施
デンソーは、環境マネジメントシステム(国際規格ISO14001)の認証を国内外の生産会社で取得し、維持・更新しています。2025年度末時点では、環境管理拠点73拠点のうち72拠点でISO14001認証を取得しており、未取得の1拠点についても代替システムによる認証を取得しています。なお、2016年には2015年版ISO14001への移行を完了しました。また、統制強化と運営効率化を目的に、2010年度に国内事業所の統合認証を取得し、2024年度には国内グループ会社および中国拠点を含む統一認証体制の構築を完了しました。
今後は既存の認証体制のもと、環境マネジメントシステムの継続的な改善と環境リスク管理の強化に取り組んでいきます。
環境リスクマネジメント
デンソーは、各国・地域の環境法規制より厳しい「デンソー安全衛生環境管理基準(DAS)」を設定・運用し、事業所の立地条件や事業内容から想定される環境リスク(環境事故・汚染・法令違反など)を特定して、未然防止とリスクの最小化に取り組んでいます。
特に、自主基準を超える排水・排出ガス、油濁、化学物質の漏えい、土壌・地下水汚染、騒音・悪臭、廃棄物処理・リサイクル違反に関わる規制・規程の遵守を再確認するとともに、産業特殊ガス(特定高圧ガスや半導体材料ガス)などの運用管理規程を整備し、社員や地域の災害・事故防止に努めています。
また、近隣からの苦情については、(1)異常を発生させない(2)万一発生させた場合は被害の最小化と確実な情報開示を基本に、日常点検・監視測定とともに、毎年、緊急時対応訓練を行っています。
なお、2025年度は環境関連法に関して、重大な違反・訴訟問題はありませんでした。
環境教育
全員参加の環境経営を推進するには、社員一人ひとりが環境課題を自分ごととして捉え、高い環境意識のもと行動することが重要です。デンソーでは、社員一人ひとりがそれぞれの担当業務・職位において持続可能な社会の実現に貢献できるよう、教育やイベントを通じて環境に関する理解と実践力の向上を図っています。
社員への環境教育
各階層で習得すべき内容について、指名必須教育(集合教育)やeラーニングを活用した自主奨励教育を実施しています。また、製品を設計する技術者に加え、営業・購買部門を対象としたLCA(ライフサイクルアセスメント)教育を行うとともに、2026年度からは「エコビジョン2035」の浸透・理解促進に向けた教育を拡充し、社員一人ひとりが環境価値の創出に貢献できる人財の育成を進めています。
環境教育体系[(株)デンソー]
グローバル環境スタッフに向けた教育
生産拠点の環境スタッフの知識向上を目的に、「社内安全環境スキル基準による技術力の見える化」、「教育ツール及びレベル認定制度構築」を推進しています。また、エコビジョン2035の行動計画に基づいた環境会議を設定し、グローバルグループ会社全社の環境活動のレベルアップを図っています。
環境イベントによる環境意識の醸成
デンソーグループ環境月間行事の開催
国連「世界環境デー(6月5日)」にあわせ、デンソーでも6月を「環境月間」に制定し、社員一人ひとりが自分事として環境課題を考え行動するきっかけになるように様々な施策を展開しています。
2026年度は、グローバルに副社長メッセージを動画で配信し、「エコビジョン2035」の実現に向けて、社員一人ひとりが自身の業務を通じて環境価値の創出に取り組む重要性を発信しました。また、「エコビジョン2035」の考え方や目指す姿も紹介し、社員が環境課題を自分ごととして捉え、行動するきっかけづくりを推進しました。
グリーンカーテン活動 [㈱デンソー]
社員がいきいきと気持ちよく働ける職場環境を作るだけでなく、各家庭でグリーンカーテンを育てる経験から、生物多様性や自然の循環について学び、社員の環境に対するマインド醸成の向上を目指しています。例えば、グリーンカーテンを育てる過程で見つけた生き物の名前や特徴を調べるなど、生物多様性の保全を意識した取り組みを推進しています。
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環境省の環境教育育成事業と連携したグリーンカーテン育成講座(2025年6月8日)
デンソーグループ社員とその家族を対象に、専門家の実演を交えて、自身のライフスタイルと生態系両方にプラスになる取り組みを学ぶイベントを開催。
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各家庭による自由参加型緑化活動(グリーンカーテン)
社会とのコミュニケーション
デンソーは、業種の枠を超えた対外連携や、あらゆるステークホルダーに向けた環境関連情報を積極的に開示しています。
さらに環境活動の効果を究極に高めていくために必要な場合には、業種を超えた対外連携を積極的に行い、イニシアチブを発揮していきます。またステークホルダーの皆さまに、デンソーの取り組みを理解・共感いただくため、環境関連情報を積極的かつタイムリーに開示しています。
例えば、会社ホームページを通して環境に関する情報を開示しています。2019年には「気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」への賛同を表明し、気候変動が事業に与える影響とそれによる機会とリスクを分析し、事業戦略へ反映する取り組みをしており、TCFD提言に沿ってその内容を開示しています。
また、CDP【注1】「気候変動」と「水セキュリティ」の調査に積極的に参画し、2022年, 2023年, 2024年, 2025年と4年連続で2つのカテゴリーにおいて最高評価である「Aリスト」に選定されました。
今後も環境情報の開示方法や開示内容について、改善に努めていきます。
それ以外にも、環境に対する取り組みへの理解と多くの人々との交流を図る機会として、国内外の展示会に出展し、環境配慮型の製品や技術展示、体験型イベントなどを実施しています。世界各地で開催されるモーターショーなどでも先進的な環境技術を紹介しています。
【注1】 カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト:機関投資家が連携し、世界の企業に対して気候変動問題への戦略や、温室効果ガス排出量の開示を求めるプロジェクトを実施する国際的NGO。
社会との連携
中部地方の主要企業280社が参画する任意団体「環境パートナーシップ・CLUB(略称:EPOC)」の設立メンバーとして2000年から参画しています。
これまで、カーボンニュートラル/地球温暖化対策につながる低炭素分科会や、サーキュラーエコノミー/循環型社会の形成をめざす資源循環分科会のリーダーとしての役割を担ってきました。2026年度からはデンソー取締役会長がEPOC会長に就任し、会長会社として、会員企業や行政、大学・研究機関などとの連携を通じて、持続可能な経済社会の実現に向けた活動を推進しています。
また、生物多様性に関しては「経団連生物多様性宣言イニシアチブ」に賛同、 また経団連「生物多様性のための30by30アライアンス」に参画しています。気候変動については、日本自動車部品工業会(JAPIA)や一般社団法人経済団体連合会(経団連)が進めるカーボンニュートラル達成に向けた活動に積極的に参画しています。
サプライチェーンにおけるグリーンパートナーシップの構築
デンソーでは、多くのサプライヤーから多様な材料・部品を調達しており、グローバル共通の「グリーン調達ガイドライン」を指針として、サプライヤーの皆様とともに環境活動を推進しています。これにより、デンソー製品のライフサイクル全体における環境負荷の低減や、サプライチェーン全体での資源・エネルギーの有効活用を図っています。また、2017年度からはサプライチェーンにおけるCO2排出量の削減および水リスクの把握に向けた自主チェック調査を実施し、サプライヤーの皆様との連携を通じて環境価値の向上に取り組んでいます。