基本的な考え方
デンソーでは、35の国・地域で事業展開するグローバル企業として部品・原材料・設備の最適調達を目指し、約7,300社のサプライヤーから年間4.3兆円規模の調達(現地調達率約80%)を行っています。
活動にあたっては「公正・透明・オープンな適正取引」を基本に5つの方針を定め、国籍・企業規模・実績にかかわらず公平に参入機会を提供する「オープン・ドア・ポリシー」、対等なパートナーとしてサプライヤーとの相互発展、取適法など各国・地域の法令遵守などを明文化し、全グループ会社で共有しています。
また、グローバル企業には、その社会的影響力の大きさから、自社はもちろんサプライヤーに対しても、法令遵守、人権・労働、環境、企業倫理などに配慮した企業行動を促す施策が期待されています。デンソーではすべてのサプライヤーに、「デンソーグループサステナビリティ方針」の趣旨へ同意いただくとともに、「コンプライアンス・人権擁護・環境保全・職場安全など社会的責任の遵守」を盛り込んだ「取引基本契約書」の締結、および サステナビリティに関するサプライヤーでの窓口担当者の配置や方針の明確化など、サステナビリティの推進を依頼しています。
調達方針:調達における基本的な考え方
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オープン・ドア・ポリシー
デンソーは製品用部品・材料、生産設備などの調達に関して、国内外を問わず公平・公正な姿勢で広くサプライヤーを求め、調達活動を展開しています。
サプライヤー選定にあたっては、品質・技術・コスト・納期に加え継続的な改善に取り組む姿勢・体制などを総合的に勘案しています。 -
相互信頼に基づく相互発展
デンソーは取引を通じて相互発展を図っていきたいと考えています。
そのためには、サプライヤーとの緊密なコミュニケーションにより強い信頼関係を築くことが重要であると考えています。 -
環境に配慮した「グリーン調達」の推進
デンソーはトータルな視点で、環境に配慮した開発・設計、生産活動を推進しています。
そのために「環境に配慮されたサプライヤーから、環境負荷の少ないものを購入する」ことを目指しています。 -
「良き企業市民」を目指した現地調達の推進
デンソーは企業活動の場を広く世界に求め、現地生産・現地調達に積極的に取り組んでいます。 この活動を通じて、地域社会への貢献と“良き企業市民”を目指しています。
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法規遵守と機密保持の徹底
デンソーは調達活動において関連する法規を遵守しています。
また、取引を通じて知り得た機密情報の取り扱いについて十分な注意を払っています。
推進体制
(株)デンソーをグローバル調達本部として、海外各地域統括拠点の調達部門と連携して、現地調達を推進しています。
具体的な取り組み
パートナーシップ構築宣言
(株)デンソーは、内閣府および経済産業省などによる「パートナーシップ構築宣言」を2020年9月に公表しました。「パートナーシップ構築宣言」とは、サプライチェーン全体の共存共栄と規模、系列などを超えた新たな連携や、望ましい取引慣行(受託中小企業振興法に基づく「振興基準」)を遵守し、宣言するものです。デンソーは、サプライチェーンにおけるサプライヤーの皆様との共存共栄と新たな連携によるサプライチェーン全体での付加価値向上を目指します。
「パートナーシップ構築宣言」の要旨
・ サプライチェーン全体の共存共栄と新たな連携
・ 中小受託事業者との望ましい取引慣行の遵守
・ 取引先の付加価値向上につながる諸活動推進

サプライヤーとのパートナーシップ強化
〈オープン・ドア・ポリシー〉〈相互信頼に基づく相互発展〉
デンソーでは、グローバル競争の中、サプライヤーと相互成長を図るため、会社ホームページなどを通じて調達方針などの情報を共有するとともに、「取引先様感謝の会」などの対話の場を活用してコミュニケーションの醸成に努めています。また、「品質」「コスト」「納期」「経営」の4つの観点でサプライヤーの企業力を評価する「サプライヤー評価制度(CAPS;Constitution of Assessment Program for Suppliers) 」を設定し、サプライヤーの企業体質強化や優良なサプライヤーの表彰などに活用することで、パートナーシップの強化に努めています。
なお海外グループでも、各地域拠点の調達部門が中心となって、サプライヤーとの感謝の会や社別懇談会などを通じて、お互いの理解を深め、双方の発展につながる施策を実施しています。
サプライヤー評価制度(CAPS)の概要
取引先様感謝の会
公正・透明・オープンな適正取引の遵守と実践
〈オープン・ドア・ポリシー〉
デンソーは、グループ全体で取引適正化および法令遵守の徹底に取り組み、サプライヤー1社1社と密なコミュニケーションを重ねコスト変動分の協議や困りごとの把握を行ってきました。諸物価が高騰する中で、原材料費、エネルギーコストのような不可避のコスト増に加え、賃金水準の上昇についても、サプライチェーンで適正に価格反映を図り、産業・経済全体での正の循環を推し進めるべく活動しています。
また、調達部門自らが「公正・透明・オープンな適正取引」の考え方の浸透に率先して取り組み、その考え方や行動規範が明記された「社員行動指針」を全社員に配布するとともに、調達に関わる社員へ、調達業務における遵守すべき行動規範を示した「バイヤーの心得」の共有やWeb教育を通じて啓発を行っています。さらに、内部通報制度の活用を呼びかけ、取引における遵守事項を明確化した「コンプライアンス宣言」をサプライヤーと社内調達部門に配布・共有しています。さらに、サプライヤーに取引適正に関する無記名のアンケートを行い、生の声を真摯に受け止め、コンプライアンスの徹底と要望にお応えする改善を図っています。
今後も、サプライヤーとのパートナーシップ強化を図り、品質、技術、コスト、納期、環境・安全・コンプライアンスなどに優れた部品・材料・設備・サービスなどの調達を通してお客様に満足していただける製品・サービスを提供し続けるとともに、グループ全体で法令遵守の徹底に向けた取り組みを実施し、業界全体の発展に努めていきます。
贈収賄防止への取り組み
〈オープン・ドア・ポリシー〉
デンソーは、贈収賄防止の基本方針・専門会議体の下、贈収賄防止ルールの整備・社員への啓発を行うなど、贈収賄防止を徹底しています。デンソーの事業に関与するすべてのサプライヤーにも、政治・行政との関係において贈賄などを行ったり、第三者に対してデンソーグループのための不当な利益などの取得・維持を目的とした接待贈答・金銭などの授受・供与を行ったりすることのないよう、要請しています。
安定供給に向けた基盤の強靭化
〈パートナーシップ構築宣言〉
昨今の度重なる自然災害やサイバー攻撃、あるいは重要鉱物の輸出規制など、多様化・多発化するリスクに柔軟に対応し、お客様への供給を継続できるように、サプライヤーと共に安定供給基盤の強靭化に取り組んでいます。
未然防止として、グローバルでのサプライチェーンの明確化や減災対策・防火体制の強化、サイバー攻撃による生産停止や機密情報漏洩を防ぐための情報セキュリティ点検活動などに取り組んでいます。
またリスク発生時を想定し、部材の標準化や複数工場での生産、生産復旧までに必要な在庫の確保などを行うほか、サプライチェーン情報をシステムで見える化し、災害発生エリアに所在するサプライヤー情報を即時に把握できるようにしています。
責任ある資源・原材料調達への取り組み
〈パートナーシップ構築宣言〉
ビジネスのグローバル化に伴い、サプライチェーンのグローバル化、多様化が進展しています。しかし、世界には強制労働・児童労働や劣悪な環境での労働など、労働者の権利への配慮がされていない状況が存在しています。
デンソーは、その一つとして、紛争や人権侵害のリスクが高い地域での労働環境の下で採掘されている鉱物の問題をサプライチェーンにおける重要な問題として認識しています。
具体的な取り組みとしては、会社として責任ある「資源・原材料調達方針」を策定するとともに、「サプライヤーサステナビリティガイドライン」を改訂いたしました。これをもとにサプライヤーに対し、リスクの低い製錬所からの調達を要請しています。また、年1回、関連するサプライヤーにご協力いただき、鉱物調査を実施しております。
今後も、サプライヤーの皆様と協力し、懸念のある鉱物の使用回避にサプライチェーン全体で取り組んでまいります。
【 資源・原材料調達方針 】
私たち(デンソーグループ)は、人権・環境などの社会問題への影響を考慮した調達活動を推進しています。一例として、 コンゴ民主共和国および周辺諸国産の紛争鉱物問題は、サプライチェーンにおける重大な社会問題の一つと認識しています。
影響のある鉱物の使用状況について調査を実施し、「社会問題を引き起こす」、あるいは「武装勢力の資金源になっている」などの懸念のある場合には、使用回避に向け取り組みを実施します。また、サプライヤーにも、私たちの考えを理解いただくとともに、責任ある資源・原材料の調達活動に取り組んでいただくよう要請していきます。
「サプライヤーサステナビリティガイドライン」に基づくサステナビリティの推進
〈法規遵守と機密保持の徹底〉
デンソーでは、国内外の業界団体やお客様の要請を踏まえ、サプライヤーとともに効率的にサステナビリティを推進するため「サプライヤーサステナビリティガイドライン」を策定し、すべてのサプライヤーと共有しています。また、当ガイドラインに基づき、定期的に「デンソーグループサステナ自主点検チェックシート」によるセルフチェックをお願いし、「サプライヤーサステナビリティガイドライン」の趣旨に沿った活動の推進への合意を得ています。 また、必要な項目については改善をお願いしております。
なおサプライヤーには、自社のサプライヤー(デンソーグループの二次以降のサプライヤー)にも同様の取り組みを展開いただくようにお願いし、サプライチェーンでの取り組みを実施しています。
| 結果 | 割合 | 懸念内容 / 活動 |
|---|---|---|
懸念なし |
82% |
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懸念あり |
8% |
〈主な懸念内容〉
〈活動〉
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「サプライヤーサステナビリティガイドライン」の主な内容と展開
ガイドラインの内容
(1)安全・品質
(2)人権・労働
(3)環境
(4)コンプライアンス
(5)情報開示
(6)リスクマネジメント
(7)責任ある資源・原材料調達
(8)社会貢献
(9)皆様のサプライヤーへの展開
展開
| 1.周知 | サプライヤーサステナビリティガイドラインを配布 |
|---|---|
| 2.強み・弱みを見える化 | サステナ自主点検による自己診断 |
| 3.点検 | デンソーによる点検結果の分析・フィードバック |
| 4.改善 | 必要なサプライヤーにて計画を策定し、改善実施 |
新規サプライヤーのアセスメント
〈オープン・ドア・ポリシー〉
新規に取引を開始するサプライヤーについては、財務状況などの審査に加え、ISO9001やIATF16949などの品質マネジメントに関わる認証の取得状況や、デンソーグループサプライヤーサステナビリティガイドラインの遵守状況の確認を行っています。
サプライヤーへの研修
〈相互信頼に基づく相互発展〉
企業を取り巻く環境は急速に変化しており、サプライチェーン全体で動向を理解し、適切な対応を取っていくことが重要と考えています。そのため、デンソーの主要サプライヤーに対して、サステナビリティ、カーボンニュートラル、情報セキュリティの強化などについて適宜説明会を開催し、サプライチェーン全体での取り組みの重要性を理解いただけるように努めています。
社員に対する教育
〈法令遵守と機密保持の徹底〉
サプライヤーとの公正・適正な取引を推進するため、社員を対象に取適法をはじめとする関連法令に関するコンプライアンス教育を毎年実施しています。
グリーン調達
〈環境に配慮した「グリーン調達」の推進〉
「デンソーエコビジョン2025」に基づく環境負荷物質の継続的な削減に向け、「グリーン調達ガイドライン」を設けています。これに基づき、サプライヤーに下記事項を要請しています。
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環境マネジメントシステムの構築
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環境負荷物質の管理と削減
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物流に関わるCO2 排出量、梱包包装材の削減
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環境改善への取り組み
環境リスクアセスメントの実施
〈環境に配慮した「グリーン調達」の推進〉
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環境負荷物質
近年各国で環境法規制が強化されています。デンソーではそれらの規制に確実に対応するため、サプライヤーにご協力いただき、納入される製品に含まれる化学物質についてIMDS(International Material Data System:自動車産業向けのデータシステム)を標準フォーマットとして調査しております。
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サプライチェーンにおける環境面でのエンゲージメント
気候変動による異常気象、生態系の破壊、資源の枯渇など多くの環境課題が発生し、持続可能な社会の実現に向け、近年責任ある行動を取ることが求められております。
デンソーでは、サプライヤーに環境保全に向けた方針・マネジメントシステムの有無、水資源やGHG排出量など重要なテーマへの管理有無を定期的に確認、改善を要請し、サプライチェーン全体での環境改善に努めております。
サプライチェーンのカーボンニュートラル推進
〈環境に配慮した「グリーン調達」の推進〉〈パートナーシップ構築宣言〉
産業革命以降の世界的な気温上昇はデータでも裏付けられており、気温上昇の抑制はデンソーの重要な課題です。解決に向けては、デンソーだけでなくサプライヤーと共同で活動を推進していく必要があります。
そのため、カーボンニュートラル説明会を開催し、調達金額の70%超を占める主要サプライヤー約300社に中期目標「CO2排出量を2030年度までに2020年度比25%削減(年平均2.5%)」、および長期目標「2050年度 カーボンニュートラル実現」を共有し、削減活動の推進を図っています。また、当社工場の改善事例を現認いただくカーボンニュートラル工場見学会の開催や、省エネ診断・エネルギー計測器の貸し出しといった実行面での支援に加え、省エネ設備導入に向けた補助金申請の支援や設備投資の後押しなど、実務に踏み込んだ伴走支援を通じサプライヤーの活動を促進しています。
さらに、こうした取り組みを通じて把握した現場の困りごとや要望を取りまとめ、政府・業界団体・学識者などへ提言することで、サプライチェーン全体における活動環境の整備を牽引しております。
サプライチェーンでのカーボンニュートラルに向けたロードマップ
オープンイノベーション
〈パートナーシップ構築宣言〉
サプライチェーン全体での付加価値向上に向けた、新たな連携の構築に取り組んでいます。近年モビリティは課題が多様化し、社会課題解決の担い手たるスタートアップとの連携がキーとなっています。そのために、サプライチェーン全体で外部との接点を増やし、オープンイノベーションを促進することが求められています。その一環として、2026年2月に当社協力会のデンソー飛翔会とスタートアップ100社による展示会を開催しました。展示会は2日間開催され、4,000人を超える方々が来場し、各社ブースやピッチ会場で共創に向けた会話が数多く行われるなど、盛況を呈しました。このように、サプライヤーとスタートアップの共創支援を通じて新価値の創出を促進し、モビリティ領域の課題解決に貢献していきます。
業界団体との連携
〈相互信頼に基づく相互発展〉
(株)デンソーは日本自動車部品工業会(JAPIA)・電子情報技術産業協会(JEITA)などの業界団体に参加しており、取締役社長が2023年5月より、JAPIAの理事を務めています。 そして、サプライチェーン全体の課題に対し、カーメーカーや電子部品・半導体業界などとの連携も強化し、取り組みをリードしています。
さらに実務ベースでは、これら業界団体のワーキンググループに参画しています。例えば、 国産半導体の競争力強化のため、JAPIAの半導体ワーキングにおいて 半導体の新陳代謝の促進とデータPF構築を推進してきました。
また、社会全体でのカーボンニュートラル達成には業界全体での連携した取り組みが重要です。デンソーはJAPIAの活動を通じて、複雑な自動車部品業界のサプライチェーンにおける製造及び使用段階の環境負荷量を効率的に算出するための「JAPIA LCI算出ガイドライン*1.」の策定、および算出ツールを開発してきました。この活動が評価され2018年3月にLCA日本フォーラム*2.より「経済産業省産業技術環境局長賞」を受賞致しました。さらに、カーボンニュートラルに向けたガイドラインの作成や政府への要望具体化、他団体との連携強化など、業界全体でのカーボンニュートラルを実現するための活動を推進しています。
*1. LCI(ライフサイクルインベントリー):対象製品のライフサイクルを通じて排出される環境負荷量を計算する手法
*2. LCA(ライフサイクルアセスメント):LCIで算出した結果を用いて環境への影響を評価する手法
今後の取り組み
デンソーにとってサプライヤーは、オープンな対話と継続的なコミュニケーションを通じてともに成長し、信頼関係を築いていく重要なパートナーです。これまで、適正取引の社内外への周知・徹底や、サプライヤーが課題や困り事を相談しやすい環境整備とその解決に取り組んできました。
また、環境、労働安全衛生、人権尊重などサプライチェーンにおけるサステナビリティへの対応について、顧客や投資家をはじめとするステークホルダーからの期待が一層高まっていることを踏まえ、サプライヤーと一体となって継続的なレベル向上に取り組み、お客様に満足いただける製品・サービスの提供と相互の発展を目指します。