CTO(チーフ・テクノロジー・オフィサー)MESSAGE
技術経営で挑み続ける、変わりゆく時代の
社会課題解決と持続的成長
経営役員 CTO
武内 裕嗣
デンソーの技術開発は、競争力の源泉です。社是の一節にある「研究と創造に努め常に時流に先んず」の通り、常に探求心を持ち、時代の最先端をゆくべく人・組織を磨き続けることは、技術責任者としての私の使命です。外部の環境変化を捉え、10年単位でシナリオを描き、技術的に勝つための道筋、新しい時代に向けた大胆な挑戦、未来を牽引する人財の育成など、技術経営の視点から全社戦略の実効性を高めていきます。
中長期技術戦略として、環境・安心の理念に基づき「電動化/エネルギーマネジメント」「自動化」、そしてこれらを支える基盤技術「半導体」「ソフトウェア」を重点領域と定めました。さらに、事業・組織や技術の領域をまたいだ中長期の開発テーマを全社横断研究開発テーマとして定義し、CTOである私が各事業グル―プと技術統括会議を毎月実施することで、早期の課題発見と技術開発ガバナンスの強化を図っています。
これまでデンソーでは、売上の8~9%に相当する経営資源を研究開発費として確保し、重点領域に集中的に投下してきました。全社横断で各領域の事業成長ポテンシャルを見極め、足元の短期開発だけでなく中長期視点での事業成長を実現する投資配分を実践していきます。2025年度は、全社横断研究開発テーマに対し前年度比で約2倍の研究開発費を投入し、研究開発効率を飛躍的に高め、中長期視点で企業成長を力強く牽引します。
SDV時代が到来し、ソフトウェア開発は大規模化・複雑化の一途を辿っています。投資対効果をさらに高め、より競争力を強化するために、開発工程の自動化を通じて組織・工程間の情報不整合や欠陥を防ぎ、設計・検証・テストなど一連の開発工程でAI活用によって効率化を図るなど、デジタルナレッジを組織全体で活用することで他社との差別化を実現しています。これらの取り組みが認められ、デンソーは「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2025」に初選定されました。デンソーが培ってきた先端技術開発力にデジタルの力を実装することで、社会にさらなる価値を提供できる企業へと変革させていきます。