DRIVEN BASE

ステークホルダーとの対話 2015

●日 時 2015年8月19日(水)PM

●場 所 ㈱デンソー本社(愛知県刈谷市)

●ダイアログのテーマ
 テーマ①<事業>社会課題解決に向けたデンソーの取り組みに関する意見交換
 テーマ②<環境>次期エコビジョンに基づく意見交換
 テーマ③<環境>次期エコビジョンに基づく意見交換

●出席者

  • ●出席者<有識者>足達 英一郎 氏(株式会社 日本総合研究所 理事)

<有識者>
足達 英一郎 氏
(株式会社 日本総合研究所 理事)

<デンソーからの参加者>
テーマ①事業 技術企画部・新事業推進室
テーマ②環境 安全環境推進部
テーマ③社員 人事部・DPダイバ-シティ推進室

主な意見やコメントなど

足達様からの主なご意見・ご提言等およびそれに対するデンソーのコメント等を紹介します。

テーマ①<事業>社会課題解決に向けたデンソーの取り組み

<●有識者、◆デンソー>



●50年後も自動車の普及がいまと同じ勢いで伸びているとは考えにくい。次の事業を模索するため、自動車部品の分野から新分野への「イノベーション」が生まれる仕組みを整備することも大切だろう。個々の技術者が自分の持っている技術をこんな風に使えるのでは?と提案があればチャレンジさせる、という仕組みや風土が必要と考えるがどうか。

◆世の中にはたくさん社会課題があり、デンソーが技術で貢献できるものがあればできる限り貢献したいと思っている。エンジニアのうち数%をそのような研究時間に充てるなど、リソースの問題も管理しつつ本人のやる気を重視しながらやることができればと思う。藻研究・エコキュート(CO2給湯器)などもこういったプロセスで生まれた。
仕事のプロセスの中でイノベーションが生まることもあるが、社員ひとり一人が常に課題認識を持っていることが大切で、そこからチャレンジするところから生まれる。そういう風土づくりも大事。

●社会・規制動向や価値からシステム、コンポーネント、技術に結びつけるR&Dロードマップを有していることに感心した。是非社外に積極的に発信すべき。

◆2016年度から統合レポートを発行する予定であり、その中でよりデンソー製品の貢献度をうまく伝えられるよう検討したい。

●新事業の発想の根元にあるデンソーのDNA的なものはどんなものか?

◆「Just in time」の視点で、必要なサービスを必要な時に享受できる社会作りに貢献したい。加えて、「ユーザー視点にたつ」ことを重視し、様々な経験を積むことで、会社として「社会視点発想」を強化することにつなげたい。

●最近、日本企業の過度な自前主義が壁に突き当たっているという指摘がある。新事業の分野は、他社との提携・投資等で進めている、といったほうが説得力がある。

◆もちろん、他社との提携は積極的に進めたいと考えている。ただ初めて取り組む分野なので、多少時間がかかっても、自らユーザーとの接点の部分を経験し、業界の常識や知識の理解を深めていきたい。その上で、連携先との役割分担やコラボを進めていきたいと考えている。

●事業と社会との接点として新事業は社会にアピールしやすい。新事業を推進することで、「もっと最終ユーザーに近づきたい」という視点を社内に入れることは有効だろう。こうしたストーリーも発信して欲しい。

◆2016年度発行の統合レポートの中で、ステークホルダーのみなさんにうまく伝えられるよう検討したい。

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<環境>次期エコビジョンに基づく意見交換

<●有識者、◆デンソー>



●自動車関連メーカーは、単なるモノづくりからもう一歩踏み込む必要があると考えている。異論もあろうが「燃費」改善は相当やりつくした感がある。むしろ、エコドライブを普及させる、渋滞緩和に行政と取り組む、道路計画から作り直すといった、社会と連携して渋滞緩和させる活動こそが重要。こういった取組みを明確に計画に入れている企業はほぼない。

◆ まずはグローバルでみると、エンジンが古いクルマが多く、その分野でやりつくしたうえで次のステップにどこまで踏み込むか?を考えたい。
ご指摘のとおり、もう一歩先を目指して踏み込んでやらないといけないと理解はしている。

●CSRの取組みを活動を社内活動にとどめてしまうのは日本企業共通の課題。例えば、デンソーの「エコフレンドリー」の活動の主体は「社員」となっているが、是非「地域」へ広げていくべき。特に、新興国での多国籍企業への期待は大きい。

◆地域も視野に入っている。徐々に地域を巻き込んだ活動をしていきたい。

<社員>18中期計画に基づく意見交換

<●有識者、◆デンソー>



● 個人の社会的感度は会社の社会的感度の基礎となる。社員1人ひとりの感度を高めるしかけはあるのか?いくつかの企業と話をする中で、社会課題への感度を高めるため、たとえば社員の自発的な社会貢献活動への参加に対して企業がサポートしたり、社会貢献活動に参加した個人の思いや経験を情報発信して他の社員と共有するということを行っている会社もある。

◆ たとえば経営企画部が「CSRニュース」を継続的に発行し、職場あるいは各会社での取組みについて情報共有をしている。またCSRレポートのダイジェスト版を昨年から発行し、社員と情報共有をしている。
引き続き社員の社会課題意識の向上を目指して、検討したい。

事務局より

今回のダイアログは、特に注力したい分野3分野を特定し、より深い議論がしたい、という考えのもと、分野毎の専門部門と有識者での1対1での対話形式としました。すべてのテーマとまではいきませんが、テーマごとに突っ込んだ対話ができたかと思います。

足達様からいただいたコメントから、全分野共通しているのは、社外ステークホルダーへの情報開示が充分ではないということです。現在、統合レポート発行に向けて関係部署と連携を取りながら検討をしております。その中で、デンソーの魅力を伝えられるようにしていきたいと考えています。
デンソーの進むべき方向性や活動を検証するには、社外の方と対話を重ねていくことが大切です。真のグローバル化企業として、事業成長すると共に社会から信頼・共感されるデンソーになるように、活動のレベルアップを図ってまいります。

株式会社デンソー
経営企画部 経営戦略室