ステークホルダーとの対話
デンソーでは、さまざまなステークホルダーの皆様との対話を通じて、社会のニーズを企業活動に活かしています。
2024年度
「マテリアリティ」のアップデータに伴う主要なステークホルダーとのダイアログ
社会課題や事業を取り巻く事業環境の変化を踏まえ、2018年に設定したマテリアリティのアップデートを行うにあたり、顧客・取引先・投資家などのバリューチェーンを代表する主なステークホルダーとの対話を実施しました。
【ご意見・アドバイス】
現行のマテリアリティは「交通事故“低減”」だが、「交通事故“ゼロ“」を目指すべき。DNらしいマテリアリティを掲げるべき(社外役員)
エネルギー、サーキュラーは会社だけではなく社会にもインパクトを与える活動として2軸視点でマテリアルなテーマとすべきでは?(社外役員)
これからは、マテリアリティに向けた戦略を中計・長計など企業方針の中に位置づけて推進することが重要になってくる(投資家)
デンソーのマテリアリティを、中小企業がすべてやれるわけでないので、サプライヤーとともに進めるテーマについて優先順位をつけてほしい。
マテリアリティが決定したら、ガイドラインやアクションプラン、KPIをサプライヤにー提示してほしい(サプライヤー)
中期方針との連動は賛成。2050年の社会実現にどのようにアプローチしてくのか、もう少し長期の視点が重要ではないか? (有識者)
マテリアリティ案について、大きな違和感はなく同業他社とも比較して遜色ないレベル。当社が課題として特定しているイシューとも整合。(投資家)
統合報告書などで2025年の目標を開示しているが、これを機に2030年/35年など中長期の目標設定を行ってほしい(投資家)
マテリアリティ案について、大きく違和感のある項目はない。社会課題が複雑化している中、物流、エネルギー、カーボンニュートラル、人権といったテーマは業界を超えて取り組む必要があると考えている。(顧客)
人権団体の活動が活発化・不買運動リスクが高まっている。対象はサプライチェーン全体であり、取組みをお願いしたい(顧客)
マイナスをゼロにする、というリスク側の言葉多いように感じる。ゼロからプラスの表現ができれば社内も動かしやすいのではないか。(顧客)
生物多様性については、現時点では当社も社会に与える影響は小さいと思っているが、社会的に注目されているテーマであるので注視していく必要がある。(顧客)
以上の対話を通じていただいた意見やデンソーへの期待をデンソーのマテリアリティ案に反映・最終化し、経営レベルでの議論を経て、取締役会の承認を得ました。現在、次期中期経営計画の前提としてマテリアリティを据えて目標を設定し、各部門・地域の活動計画を策定中です。
人権に関する社外有識者とのダイアログ
人権の主管部署人事部と主要部門の調達DX改革部・経営戦略部がデンソーの人権尊重に関する取り組み状況を、CSR分野の有識者に説明し、ダイアログを実施しました。グローバル社会の動向や他社取り組み状況を踏まえ、国連指導原則に従った取り組みやリスクアセスメントによる人権課題の抽出、日本国内の外国人労働者へのインパクトアセスメントなどの取り組みを評価いただくとともに、デンソーの現状の取り組みに対して様々な角度から貴重なご意見・アドバイスなどをいただきました。
【ご意見・アドバイス】
外国人技能実習生は、技能向上が図れたかというポジティブな聞き込みもすると良い。
サプライヤーに対する外国人労働者/技能実習生調査はサプライヤーへの啓発にもなる。今後はより実態に即したリスク評価実施にむけ設問内容/選択肢を工夫することを推奨。
サプライヤーに対する社内啓発活動への支援が必要。啓発ツールの作成・展開あるいは調査結果のフィードバック(課題(弱み)の見える化、ベストプラクティスの共有など)を推奨。
12月10日の国際人権デーに合わせたCEOのメッセージ発信を推奨。 など
デンソーはこれらの意見・アドバイスを踏まえ、今後の活動に活かしていきます。
2023年度
個人投資家の皆様とのダイアログ
2023年5月、長期投資を行う運用会社であるコモンズ投信様主催で、個人投資家の方々を対象に、ダイアログを実施しました。デンソーの環境・安心戦略をはじめとしたサステナビリティへの取組みについての説明・意見交換の他、デンソーの事業の歴史から未来のモビリティ社会をご紹介する”デンソーギャラリー”※ や社是・品質・安全といったデンソーの原点を学ぶ社員向けの施設“継承館”の見学会を行いました。
※ 2023年当時。 2025年6月に“デンソーミュージアム“としてリニューアルいたしました。
【ご意見・ご感想】
相当前から半導体事業を手掛けていたことを知りました。自動車の電動化の拡大に伴い、半導体の安定供給のため、自前でパワー半導体を作ることの必要性があったということかと思います。電動車向け部品の拡大が業績に結びつくことを期待します。
さまざまな技術や取り組みを知ることができてよかった。特にデンソーギャラリーでは多くの社員さんが「私の価値」を自分の言葉で発信しており、デンソーの企業文化がよく分かりました。
歴史の中で育まれてきたDNAの良い部分を現在から未来の社員引き継いでいってほしい。一方で昔とは異なった教育を受けてきた若者や海外の社員は、様々な価値観を持ち合わせてデンソーで一緒に働いていくことが好ましいと思います。ダイバーシティーの言葉だけではなくそれを乗り越える(インクルージョン)の姿を内外にアピールしていっていただけるとよいのでは?と思いました。

