DRIVEN BASE

ステークホルダーとの対話 2013

●日 時 2014年1月23日 10:00-17:00

●場 所 ㈱デンソー大安製作所(三重県いなべ市)

●参加者
「中部企業CSR連絡会※」メンバー企業のCSRご担当者様
 【中部電力様、名古屋鉄道様、イビデン様、ブラザー工業様、日本ガイシ様、日本特殊陶業様、東邦ガス様、豊田通商様、豊田自動織機様、東海ゴム工業様】

<デンソー>大安製作所、安全環境推進部、経営企画部

※中部地域に本社を置き、参加を希望する企業間によるCSRに関する情報交換、相互研鑽の場として08年1月から活動を開始。

●スケジュール

  1. デンソーの長期方針および今後のCSR活動の方向性について

  2. 大安製作所における「環境」「安心安全」への取り組みについて

  3. 工場および施設見学(排水処理施設、コジェネ施設、EV構内移動システム など)

  4. ダイアログ

ダイアログでの主なご意見・コメントなど

ご参加者様およびデンソー参加者の主なご意見・期待などを紹介させていただきます。

長期方針について

<●企業CSRご担当者様、◆デンソー>

●長期の方針は、一般論としては意外に経営とCSRがばらばらになっていることが多いが、デンソーの長期方針は、CSR経営を意識したものになっている。あとは社員にどうやって浸透させていくのかが重要!2020年デンソーの企業風土がどのようにかわっていくのか期待する。

●今後CSRの世界では、価値創造をいかに表現していくか、ステークホルダーとどのようにコミュニケーションをとっていくか、が重要なポイント。長期方針の中に、会社の届ける価値が定義され、また各ステークホルダー毎に方向性を示しているところに共感した。すでにステークホルダー毎に具体的活動計画にまで落としているのか?

◆長期方針の中の「ありたい企業像」で各ステークホルダー毎にどういう風になりたいか、ということを描いたが、活動レベルまでの落としこみはこれから。今後CSR活動も、ステークホルダー毎に今一度具体的な活動を明示していこうと考えている。

「エコファクトリー」への取り組みに関して

<●企業CSRご担当者様、◆デンソー>

●工場内に掲げてあったモノづくりはヒトづくり。実際工場を見学すると、それが実践されている場面を見かけた。また工場の方針「健康経営」は、健康管理を社員の皆さんとのコミュニケーションに使っているという点で、社員を非常に大切にしていることを感じた。

●さらに環境効率の高い、自然エネルギーを利用したような環境工場への変革を期待。ただ、こういった環境工場づくりは大きな会社だからできるのでは、と思うところもある。コストの制約もあったかと思うが、どのようにここまで積み上げてきたのか?

◆効率化、CO2 削減というところで業界目標を達成しようとの考えのもとで、戦略的に徐々に設備を導入してきて、気づけば全社で自家発電は4割まで実践できたといったところ。再生可能エネルギー導入は、むしろ現場主導で推進してきた。たとえば「EV移動システム」はある製造部長のこだわり。個人的な要因もあるが、一番は工場内の各部門がいい意味でのコンペティション・プロアクティブなことをやっている、というところだと感じている。今後、再生可能エネルギーも全社視点でどうしていくのか検討が必要と感じている。

◆グローバル競争力をいかに高めるかという視点で「ダントツ工場&ライン」や「1/nライン」づくりに取り組んでいる。これはn倍の生産性を上げるために、従来よりも設置面積を1/nにする、速度をn倍にする、といった活動。そういうことにこだわっていくことがおのずと省エネにつながる。それ以外にもエネルギーJITや設備のアイドルストップなど。こういった1つ1つの活動の積み重ねが効果をあげていると思う。

●社員の方の提案からそういうことがうまれたということ、その風土をこうからもつないでいくことが大切。

社員浸透について

<●企業CSRご担当者様、◆デンソー>

●長期方針を具体的なCSRの活動として「移動の省エネ」「緑の工場」に落としているところは、社員にとってはすごくわかりやすい。ただ、実行段階で、いかに社員を巻き込んでいくか?言われてもやらないという人も中にはいると思うので、今後は多くの社員を巻き込むための工夫が必要。

●社員浸透のやり方は現場とオフィスとは違うのではないか?ボトムアップ活動の時間確保や効率化の工夫等に努力されていると感じたが、ボトムアップの推進をどのようにされているのか?

◆社員浸透への特効薬はなく、愚直にやる、小集団でしっかりとやっていくというのが肝。デンソーでは現場は「ActiveQC」、オフィスは「Activeミーティング」。既存のボトムアップ活動を利用してカイゼン活動を行ってきた。そういった地道な活動が結果につながったのではないかと思う。

●長期方針のキーワード「環境」「安心安全」について、どのようにグローバル展開を行っていくのか?どう社員の意識をあげていこうと考えているのか?

◆デンソーも長期方針の共有するにあたり、トップダウン・ボトムアップの両面からのアプローチを推進中。特にボトムアップでは、グローバルで活動事例を発表しあう場を新設、情報を共有していきたいと考えている。

●「ぶれない軸」をトップダウンでおとした上で、活動を何度も繰り返していく。「愚直に」とのコメントがあったが、それが社員浸透には一番大切。ぶれない軸とは何だろうかと考えていくのが、CSRに関わる人達の役割。

事務局より

今回、中部企業CSR連絡会のメンバーの皆様のご協力のもと、ダイアログを開催することができましたこと、感謝申し上げます。また、私たちの会社の近くに、良き「アドバイザー」がいらっしゃること、とても心強く思いました。
今回のダイアログを通じ、あらためて「社員浸透」がCSR活動推進にとって重要なキーワードであると実感しました。社員が共感・行動できるボトムアップでの活動を仕掛けていくことと、また「会社のめざす方向」がブレないようにトップダウンで社員に伝えていくこと、この2つを地道に続けることが大切と、改めて理解しました。
2013年4月長期方針を発表し、ステークホルダーと良き関係を築いていきたいとうたっております。その中、ステークホルダー様との「ダイアログ」は重要性を増しています。弊社でも各専門部門がそれぞれにステークホルダーとの対話を展開しておりますが、一度会社全体の活動を整理しなおした上で、14年度以降はどのようにしていくべきか、じっくり検討していきたいと考えております。なお今回いただいた意見等は、2020年に向けた一歩を踏み出すためのヒントとさせていただきます。

経営企画部 経営戦略室