コミュニケーションに基づく相互信頼・相互責任
基本的な考え方
~長期安定雇用にむけて~
デンソーは、社員一人ひとりが誇りを持ち、高いモチベーションをもっていきいきと働きつづけることがデンソーグループの持続的な発展につながると考えています。その信念のもと、会社と社員との誠実な対話を通じて良好な関係を構築し、法令等を踏まえた労働時間、休日、賃金などの基本的労働条件の設定はもちろんのこと、生活賃金水準の維持、時間外労働時間の削減に向けた取り組みなど、労働条件のカイゼンを協議しています。
加えて、社員の働きやすさや組織の一体感・社員一人ひとりのモラル向上を通じて社員との相互信頼・相互責任の絆を深め、長期安定的な雇用の確保に努めます。
また、長期安定的な雇用に向けた取り組みは、各地域内や本社と情報交換を図りつつ、各国・地域の適用法令や慣行に則って対応しています。
地域別社員数(人)[デンソーグループ]
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
---|---|---|---|---|---|
日本 | 76,770 | 77,589 | 75,068 | 74,677 | 79,304 |
豪亜 | 50,099 | 49,139 | 39,803 | 40,319 | 45,568 |
北米 | 25,126 | 25,117 | 20,634 | 21,328 | 22,722 |
欧州 | 16,688 | 16,254 | 13,122 | 12,700 | 14,142 |
その他 | 3,309 | 2,833 | 2,832 | 2,835 | 2,836 |
合計 | 171,992 | 170,932 | 151,459 | 151,859 | 164,572 |
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
平均勤続年数 | 21.76年 男性:22.66年 女性:16.07年 |
21.67年 男性:22.58年 女性:16.08年 |
21.69年 男性:22.60年 女性:16.41年 |
21.75年 男性:22.59年 女性:17.01年 |
22.95年 男性:23.90年 女性:17.40年 |
離職率 【注1】 | 0.84% 男性:0.69% 女性:3.69% |
0.78% 男性:0.68% 女性:2.55% |
0.84% 男性:0.75% 女性:2.23% |
1.08% 男性:0.98% 女性:2.72% |
0.93% 男性:0.78% 女性:1.81% |
定着率 【注2】 | 97.76% 男性:97.55% 女性:98.45% |
95.95% 男性:96.34% 女性:94.81% |
88.79% 男性:88.34% 女性:90.23% |
85.02% 男性:85.71% 女性:84.81% |
90.13% 男性:90.92% 女性:87.61% |
具体的な取り組み
グローバルコミュニケーションチャネルの構築
デンソーでは、管理者と一般社員が積極的にコミュニケーションを図り、経営方針や経営に関する諸問題、および職場環境における問題を相互に共有・理解し、解決に向けて取り組んでいくことを基本としています。それを実現するために、定期的に全社・各職場単位で説明会や懇談会を開催するとともに、社長メッセージや社内掲示板など様々なコミュニケーションチャネルを準備し、タイムリーな情報共有に努めています。
「社員エンゲージメント」向上施策
デンソーの持続的な成長の前には、社員一人ひとりが働きがいを感じ、主体的に挑戦・成長し続けることが重要です。
例えば、(株)デンソーでは、全社員を対象に「働きがい」、「挑戦意欲」、「職場の風通し」等についてのエンゲージメント調査を毎年実施しています。職場の結果は全員にフィードバックし、各職場では話し合いを通じてより良い職場づくりに取り組んでいます。更に、調査結果を人事諸施策の検討・改善にも活用しています。なお、社員エンゲージメント調査は、グループ会社においても実施しています。
また、労使が年間を通じて、「社員の自律・自立」や「風通しの良い職場づくり」について継続的に対話・行動するための労使協議会・労使懇談会を実施しています。
更に、自職場の調査結果に各職場が向き合い、職場での話し合いを通じて確実にPDCAサイクルを回すことで、より良い環境づくりに取り組んでいます。
社員のエンゲージメント向上につなげる評価・報酬制度や表彰制度
デンソーでは、デンソーは「社会に新たな価値を提供し人と社会の幸せを具現化すること」に取組んでいますが、その原点は社員とチームの「実現力」にあると考え、2021年に「実現力のプロフェッショナル集団」を目指した人と組織のビジョン&アクション「PROGRESS」を策定しました。そのPROGRESSの一環として、2021年にマネジメント職、2023年に組合員の賃金制度を刷新。マネジメント職は、一人ひとりが担う役割・職務の大きさをベースにした役割等級に基づき、成果に応じて大きなメリハリが付く報酬制度を導入しています。組合員は、従来の年功的な昇給要素を大きく減らし、成果・役割に応じて賃金が大きく変動する業績連動型の制度を導入しています。
組織目標・方針と連動した社員一人ひとりの「自己新記録」への挑戦を公正に評価し、場合によっては上位職位を超える賃金を支払える仕組みとすることで、社員のエンゲージメント向上を図り、新たな価値創造へつなげていきます。
また、企業価値向上に貢献した事業部門・グループ会社を表彰する「社長賞」など、グループ全体で社員のエンゲージメント向上にも繋がる制度も導入しています。
持株会を通じた社員の経営参画意識の向上、中長期的な資産形成
デンソーでは、福利厚生の充実と経営への参加意識の向上を目的として、社員、定年後再雇用者および常勤嘱託社員等を対象とした従業員持株会を設置しています。また、社員の自社株式による資産形成を後押しするため、社員の自社株の保有に奨励金を支給しています。
このような制度を通じ、社員が会社の経営状況に高い関心を持つことで、社員と会社が一体となって更なる企業価値向上に取り組んでいきます。
労働時間管理・労働に関する法令の遵守
デンソーでは、労働時間、賃金などの労働に関する各地域・国の法令に従った労務管理を推進するとともに、社員が働きがいをもっていきいきと働けるように、社員と対話をしながら労働条件の向上や職場環境づくりに努めています。
例えば、(株)デンソーでは、働き方改革促進や社員の心身の健康維持に向けて、長時間労働抑制に向けた取り組みを実施しています。労使で合意した36協定の順守に加え、時間外労働時間や有休取得日数の会社指標目標を設定し進捗状況を経営審議会へ報告することで過重労働にならないよう年間を通じてモニタリング・管理を行っています。(22年度平均有休取得日数:19.1日)
今後も社員との対話を大切にしながら働き方改革を推進し、長時間労働の抑制や、同一労働同一賃金の整備に伴う法改正や最低賃金の改定等の順守に向けて、有期雇用者の就業規則を改定する等、適切に対応し、社員の働きがいの向上に努めます。
ハラスメント防止に向けた取り組み
デンソーでは、「人権方針」に基づく行動の実践に向け、社員行動指針の中にハラスメントの禁止を明文化するとともに、グループ各社で社員に対する教育研修などの浸透活動を推進しています。
例えば(株)デンソーでは、職場管理者である課長以上および班長・係長全員に対し、ハラスメント防止研修を実施しています。ケーススタディを用いて、ハラスメントの傾向と対策を学ぶなど、直接的なハラスメント防止策に加え、ハラスメントのない職場作りや、身近にハラスメントが発生した際の対応方法について研修しています。また、一般社員に対しても、ハラスメントの正しい理解促進のため、知識習得を目的とした研修を実施し、ハラスメント防止に向けた活動に取り組んでいます。
福利厚生
デンソーでは、各国・地域の適用法令や慣行あるいは社員のニーズ等に応じ、社員の働きやすさ・モチベーションの向上や生活の充実を支援する福利厚生の充実を図っています。
たとえば(株)デンソーでは、多様化する福利厚生ニーズに応えるため、2001年から選択型福利厚生制度「デンソーカフェテリアプラン」を採用しています。他にも、食堂・保養所などの施設新設、財産形成支援制度やグループ保険制度なども設けています。【注1】
今後の取り組み
長期安定的な雇用を確保し続けるには、デンソーグループの持続的成長が不可欠です。
今後も社員とのコミュニケーションを大切にし、更に相互信頼・相互責任の絆を深め、会社・社員一丸となってデンソーグループの成長・発展に向けて努力してまいります。