DRIVEN BASE
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人材育成

基本的な考え方

多様な個性を持つ世界中のグループ社員一人ひとりが、共通の価値観を持ち、成長感と達成感を得ながら活躍するため、様々な能力開発の機会提供に努めるとともに、公平・公正に評価される制度づくりに取り組んでいます。

人と組織のビジョン&アクション PROGRESS

デンソーでは、大義実現に向け、「実現力のプロフェッショナル集団」を目指し、「人と組織のビジョン&アクションPROGRESS」を2021年に策定しました。一人ひとりが情熱で自己新記録に挑むプロとなり、職場において多彩なプロが共創し、人と社会にインパクトある価値を提供できるよう、働く目的を意味づけ直し、自立・自律のキャリアを促進すると共に、人事制度の透明性・納得性を高め、バリアをなくす整備を進めています。

    • PROGRESS

具体的な取り組み

1966年に米国に初の営業所を開設以来55年以上にわたり海外での事業展開を続け、現在では35の国と地域で約17万人の仲間と共に事業活動を行っています。事業のグローバル展開が加速していく中、国や地域を越えて活躍するリーダーのさらなる育成・登用が不可欠です。
デンソーでは、グローバル共通の発揮能力モデル(コンピテンシー)や、社員共通の価値観であるデンソースピリット、グローバル幹部向けの育成施策など、グローバル共通の人事制度を順次整備し、多様な人材の活躍を推進しています。

また、2021年に策定したPROGRESSで掲げる「自立・自律のキャリア」実現に向け、キャリアデザイン研修やリカレント教育、社内公募など、様々なキャリア実現支援施策の充実を図っています。

グローバルでの取り組み

(1) 現地人材の育成登用

デンソーでは、デンソーグループ全体で共有すべき価値観・信念を示した「デンソースピリット」(2004年制定)に基づき、日々の仕事を行うための基礎的な考え方・ツール・プロセスをまとめた「デンソーでの仕事の進め方」とデンソーにおける部下育成の考え方やプロセスをまとめた「On the Job Development」 をグローバル共通教育として全世界へ展開しています。
また、2030年までに、主要な海外連結マネジメント会社において、現地人材拠点長比率を50%にするとの目標値を掲げており、更なる拡大に向け、未来のデンソーや新たな事業をけん引する現地リーダー人財を計画的に育てることに重点を置いていきます。本社と海外地域が共に取り組むタレントマネジメント活動においては、優秀人財を早期発掘し、次世代のグローバルリーダーを育成するGlobal Leadership Development Program(これまでに累計約200人が受講)などを通じて成長を支援しています。

主要海外連結グループ会社の拠点長ポストに占める現地社員の割合
2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
31%
(26人/84ポスト)
30%
(25人/82ポスト)
31%
(25人/81ポスト)
26%
(19人/74ポスト)
26%
(20人/76ポスト)

(2) グローバル共通人事制度

本社ならびに海外グループ会社を含めた幹部層約2,300人を対象に、グローバル共通人事制度を導入しています。(2016年1月~)
当制度では、個人の発揮能力にフォーカスした世界共通の等級(Global Individual Grade・グローバル職能資格) を導入し、同じ基準で評価することで、世界中の人材が本社を含めたグローバル全体の中でキャリアを描くことを可能にしました。当制度を通じて、多様な価値観や能力を持った社員を登用することで、デンソーのグローバル事業をより発展させていくことを目指しています。

(3) 若手技能者の育成

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デンソーでは、独創的な製品開発・生産を可能とする高度な技術者・技能者の育成は企業成長の生命線と考えています。この考えのもと、(株)デンソーは1954年開設の「技能者養成所」の伝統を受け継ぐ「デンソー工業学園」(工業高校・高等専門課程)を運営。国内グループのほか、一部の仕入先様の技能者育成も支援しています。
また海外拠点では、海外生産拠点に訓練施設の設置、教育ツール導入、講師の派遣や「デンソー工業学園」への研修生の受入れ等の支援を行っています。 これらの教育システムで育った若手技能者の中から世界最高レベルの技を競う「技能五輪国際大会」のメダリストを多数輩出しています。

【TOPICS】第46回技能五輪国際大会で、計8個のメダルを獲得 (2022年11月)

  • 技能五輪国際大会累計メダル獲得数[デンソーグループ](2022年11月末時点)

    技能五輪国際大会累計メダル獲得数
    [デンソーグループ](2022年11月末時点)

2022年9月から11月にかけて世界15か国で分散開催された第46回技能五輪国際大会に、デンソーグループとして8職種計18名(日本代表として11名、タイ代表として2名、ベトナム代表として2名、およびメキシコ代表として3名)が出場。金・銀・銅メダルを獲得しました。
技能五輪の参加目的は、優秀な成績を挙げるだけでなく、訓練を通じて将来の高度熟練技能者になりうる若い技能者の心・技・体を磨き、技能を伝承することです。
デンソーは、1971年の第20回大会で初めて国際大会に出場して以来、毎回選手を派遣し続けていますが、今後も、技能五輪への取り組みを通じて、若手技能者育成と技能の伝承を継続していきます。

(株)デンソーでの取り組み

(1) 自主性を尊重したキャリア形成と階層別教育の充実

(株)デンソーでは、全社員が毎年自主目標を設定し、上司との定期面談を通じて能力伸展と取り組みプロセスを重視した評価を行っています。また中長期の目線では、社員が将来めざしたい姿と、上司が描く育成計画を持ち寄り認識合わせするキャリアデザイン面談を行うことで、それに向けた業務経験やローテーションを実施するなど、個人ごとのきめ細かなキャリア形成につながるよう努めています。さらに、このような定期面談に加えて、“よりそいトーク”(1 on 1)にて、日常的に上司と部下が語り合うことを全社施策として推進しています。
また、健全なキャリア意識醸成のため、各世代にキャリア研修を実施し、内省を促すとともに、オンデマンドコンテンツの充実など、自ら学ぶ社員を後押しする環境を整備しています。
ほかにも節目ごとに行われる階層別教育、必要な人材を広く社内から募集する社内人材公募、仕事上の進路や能力開発における悩みを相談できるキャリア相談室、成長分野であるソフト領域に挑戦したい人材を後押しするリカレント教育など、キャリア形成を支援する制度を設けています。
社員の教育総受講時間(2022年度)は364,908時間です。

(2) 若手社員の育成

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(株)デンソーでは、実現力のプロフェッショナル集団の実現に向け、入社直後の導入研修では、デンソーの歴史、スピリットなど、デンソーらしさ、AI・ソフトウエアといった先端技術、ロジカルシンキングといったビジネス基礎知識を学ぶと共に、新入社員が自分たちで設定した研究テーマをアジャイル開発手法を用いてやりきるチーム活動を取り入れています。その後、実戦での試行錯誤と振り返り研修を複数回実施し、学びの定着・ヨコのつながり強化を図ります。
加えて、担当する業務や製品の生産現場で実習を行うことで、ものづくりへの理解を深めています。定期的に360度フィードバック調査や各種サーベイを実施し、定期的に自らの成長を確認し、内省を深めながら、入社後3年をかけて、新入社員がプロフェッショナルとして活躍する基礎力を磨き上げていきます。基礎力を身につけた後は、海外グループ会社や異業種他社への挑戦機会をつくり、デンソーの次世代を担う若手が、異文化経験を積んだり、最先端の技術・ノウハウを吸収したりすることで、成長を更に加速させていくことを支援しています。
また、新入社員本人だけでなく、職場OJT指導者研修を実施し、職場ぐるみで若手を見守り、育てる環境を作っています。

今後の取り組み

グローバルデンソーが“実現力のプロフェッショナル”集団となり、世界中の人と社会の幸せのために、新しい“できる”を実現し続けられる未来を目指し、PROGRESSの諸施策を進めていきます。